「夜市」ちょっと不気味なファンタジー | 本の話がメインのつもり

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気まぐれに選んだ本を読みながら、何となく見つけたジャンクな菓子ばかり食べます。

夜市 (角川ホラー文庫)/恒川 光太郎




幻想的:☆☆☆☆☆ /5


怖い:いまいち02いまいち02 /5








恒川光太郎さんの「夜市」を


読みました。

バステトさんのブログで拝見し、


読みたくなりました。








『夜市』


 いずみは同じ高校だった裕司に誘われ「夜市」を


 見に行くことになった。それは普通の市場ではなく


 店を出しているものは、人間ではなかった。





『風の古道』


 子どもの頃、迷子になった私は未舗装の知らない道を通って


 家に帰り着いたことがあった。友達のカズヤにそのことを


 話すと、彼は面白がってその道を見に行こうと言い出した。








これはかなり好みの


作品でした。





第12回日本ホラー小説大賞受賞作品です。





お祭りの屋台が並ぶ賑やかな通りでも


ふっと不気味なものを感じる瞬間って


ある気がします。





お祭会場の隙間に見える


真っ暗なお稲荷さんとか、


雑木林とか――。





この両作品、そんな不気味さを


連想しました。





解説にも書いてあったのですが、


一種のファンタジーのであるようにも


思えます。





人間ではない者たちが商いをし、


何でも手に入るという「夜市」。





その設定もすごいのですが、


設定頼りだけのお話じゃないんですよ。


その結末にも、ビックリできます。





「風の古道」は


さらにファンタジー要素を強く感じました。


神様や人ではない者たちが通る道に


迷い込んだ、少年たちが


「外」へ出るために旅をします。





「人間じゃないモノ」「神様」「夜の市場」と、


好みのキーワード満載で


個人的には


かなり気に入りましたよ。





バステトさん、


ありがとうございました!