- 秋の牢獄 (角川ホラー文庫)/恒川 光太郎
雰囲気がいい: /5
怖い: /5
恒川光太郎さんの
「秋の牢獄」を読みました。
stardancerさんにオススメ頂きました。
『秋の牢獄』
起きると雨が降っていた。「私」は大学へ行くと、親友の由利江が
カレーを食べながら、釣りへ行った話をする。翌日、学校へ行くと
何もかも同じことが起こった。過ぎたはずの11月7日を繰り返しているのだ。
『神家没落』
何となく公園を通って帰ろうと思ったら、見慣れない藁葺き屋根の家が
あった。中から「翁」の面をかぶった男が出てきて、話を聞いてほしいと
言う。やがて男は消えてしまい、「ぼく」はその家の敷地から出られなくなっていた。
『幻は夜に成長する』
リオは祖母と二人きりだった。祖母には不思議な力があり、小石を蛙に見せたり、
悪ガキたちを虎の姿で追い払ったりすることができた。ある日、祖母に恨みがある
子どもたちにより、祖母の家に放火されてしまう。
昨日に引き続きまして、
恒川作品です。
相変わらず、
不思議な世界のお話なのですが、
この雰囲気すごく好きです。
特に「神家没落」はかなり
好みでした。
好きなんですよね。
神様の家とかそういうの。
庭には驚くほどおいしい水が
湧いていて、
不思議な木の実がなり、
ずっと同じ場所には存在せず、
見える人にしか見えない藁葺きの家。
「翁」の面をかぶった
「神様」がいるお家ですよ。
ロマンですね。
しかし中々恐ろしい話に発展していくのは
さすが恒川さん。
「秋の牢獄」は
北村薫さんの「ターン」という作品を
思い出しました。
しかし一日を繰り返すという設定が
似ているだけで、雰囲気は全然違います。
正体不明の「白いもの」がうろつく
繰り返しの世界の怖さがありますね。
おもしろかったです。
stardancerさん、
ありがとうございました!