「四畳半王国見聞録」大学生活の描写とリンクが面白い | 本の話がメインのつもり

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気まぐれに選んだ本を読みながら、何となく見つけたジャンクな菓子ばかり食べます。

四畳半王国見聞録/森見 登美彦

笑:プップップップッ /5
言い回しがおもしろい:食食食 /5


森見登美彦さんの
「四畳半王国見聞録」を読みました。


『四畳半王国建国史』
 鉢巻きをのぞけば全裸の男が四畳半に君臨した。
 四畳半王国を確立するまでの物語を語る。

『蝸牛の角』
 街路樹の葉から落ちた一滴の水にも全宇宙が含まれている。
 議論の発端は「阿呆神」であった。

『真夏のブリーフ』
 鈴木のもとに三浦さんから電話がかかってきた。黄色地に紫の水玉模様の
 ブリーフ一丁の男が日傘をさして空き地にたたずんでいるという。

『大日本凡人會』
 凡人を目指す非凡人の集い「大日本凡人會」では様々な特殊能力を
 もった者たちが人のためには能力を使うまいと固く誓っていた。

『四畳半統括委員会』
 茅野のもとに突如鍋パーティを欠席すると上松から連絡があった。
 恐ろしい「四畳半統括委員会」の噂は本当なのだろうか。

『グッド・バイ』
 大学を去る男が友人たちにサヨナラを言うために回る。
 ところが予想外のあっさりとした静かな反応である。

『四畳半王国開国史』
 四畳半王国を築いた王は「大日本凡人會」の男に桃色映像DVDを
 もらった。そして彼を鎖国中の四畳半王国へ招待する。



相変わらずのごちゃごちゃ感が
おもしろい森見作品でした。

他の作品とのリンクが
たくさんあるらしいですが、
既読作品でも人物名まで克明に覚えているものが
少ないので、
よく分からず残念です。

それでも十分に楽しめたので
問題なかったですが。

ここに収録されている短編同士も
登場人物がかなりリンクしているので
この作品の中だけでも「つながり」の
おもしろさは十分感じます。


大学生のダラダラな日常の描写が
やはりおもしろいですね。

何だか妙な組織がいっぱい出てきて、
笑いっぱなしでしたよ。

ですが、何だか深い内容のような
気もしなくもない……。

こんな大学生活をおくったおぼえは
全くないですが、
でも何となく「あの頃はおもしろかった」と
つぶやいてしまうような、そんな短編集でした。