「とっておき名短編」とっておきいっぱい | 本の話がメインのつもり

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気まぐれに選んだ本を読みながら、何となく見つけたジャンクな菓子ばかり食べます。

とっておき名短篇 (ちくま文庫)/著者不明


とっておき:あったか気分あったか気分あったか気分あったか気分 /5
いい機会:GOODGOODGOODGOOD /5


北村薫さん、宮部みゆきさん編
「とっておき名短編」を読みました。


短編集なので、いつも通り
すべてにあらすじを書いて
自分の記憶力のなさをカバーするための
メモにしたかったのですが、
今回は中にクセモノがあったので、
断念です。

クセモノ――
飯田茂実さんの
「一文物語集」です。

これは一文でできた物語が
なんと108収録されているのです。

さすがにこれにあらすじはつけられないですね。
しかしこの短編集の中では
一番のお気に入りです。

一文だけなのにすごい存在感です。
全体で一つの独特の雰囲気を
作り上げているのですが、
ちょっと不気味な感じなのです。
そこがいいのです。

他にも
穂村弘さん、蜂飼耳さん、塚本邦雄さん、川上弘美さん、
戸板康二さん、深沢七郎さん、松本清張さん、大岡昇平さん、
岡田睦さん、北杜夫さんの短編が収録されています。

どれも迫力のある短編ばかりでした。
川上弘美さんの「運命の恋人」、
戸板康二さんの「酒井妙子のリボン」、
深沢七郎さんの「絢爛の椅子」、
北杜夫さんの「異形」が
お気に入りです。

4編も選んでしまいました……。
名作ぞろいでついつい。

最後は北村薫さんと宮部みゆきさんの
対談もあったりして、
楽しめました。

あまり読んだことがない作家さんばかり
だったので、いい機会でしたよ。