中二: /5
不器用さが切ない: /5
辻村深月さんの
「オーダーメイド殺人クラブ」を
読みました。
中学二年生のアンは
クラスでもリア充と
言われる部類だった。
運動部で友達もいて、
一時期は彼氏もいた。
だが、本当に興味があるのは
もっと別のことだった。
アンはある日、隣の席の徳川が
赤黒い汚れのついたビニール袋を
河原に捨てているのを目撃し
目が離せなくなった。
「中二病」なんて言葉を
よくネットで見かけますが、
この作品では、まさに「中二病」と
形容されそうな
アンと徳川のお話でした。
親に反発したり、
背徳的なものに興味を示したり、
彼らの様子はまさに世間様がいう「中二病」
なのです。
しかし何だか
ホロ苦くも懐かしい感じなんですよね。
強がってみても
クラスで孤立する恐怖は耐えられないし、
自殺や殺人でもしたら
周りがアッと驚くだろうな、
という妄想も浮かぶ……。
「イタい」けれど、
確かにそう思ったことも
あるのですよね。
その辺りの描写が
お見事すぎて、苦いです。
オーダーメイドの殺人を
企てる二人の様子、
コロコロと勢力図が変わるクラスの様子に
目が放せない一冊でした。