「悪人」悪人って何かしら……。 | 本の話がメインのつもり

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気まぐれに選んだ本を読みながら、何となく見つけたジャンクな菓子ばかり食べます。

悪人/吉田 修一

一気読み:ワクワクワクワクワクワクワクワクワクワク /5

考えさせられた:ぎゃーーぎゃーーぎゃーーぎゃーー /5



吉田修一さんの

「悪人」を読みました。


福岡市内に暮らす保険外交員の

石橋佳乃が若い土木作業員に

絞殺された。



あらすじが書くに

書けませんでした。


どこを書いても

ネタバレしそうな気がしまして。

しかし思い返してみたら、

ストーリーの大筋は

これだけなんですよね。


絞殺された保険外交員、

犯人の若い土木作業員、

本人や周囲の関係者の目線で

事件が描かれます。


殺人事件の新聞記事みたいな

ストーリーが徐々に

厚みが出てきて、

どんどん引き込まれてしまいました。


そしてガラにもなく

「悪人」って何だ! と、

考えてしまいましたよ。



(ネタバレ?)↓↓ 

*携帯でご覧の方は見えちゃうかも。すみません。




殺人を犯した裕一、

裕一をひどく傷つけた佳乃、

殺人の原因の一端となった増尾圭吾、

裕一を捨てた母親……。


誰が「悪人」なのかと

言われると、

誰もが違うと感じる結末でした。


世間的には裕一が

”出会い系で会った女をカッとなって絞殺した”「悪人」と

なって終ります。

様々な視点で彼を見てきた後の

この結末はぐっと胸に迫りました。





いろいろな意味で強烈な後味を

残してくれた作品でした。


吉田作品はこういうの

多いですね。

でも好きです。


後味悪くても大丈夫な方、

オススメです。