「数えずの井戸」最後にはじけました。 | 本の話がメインのつもり

本の話がメインのつもり

気まぐれに選んだ本を読みながら、何となく見つけたジャンクな菓子ばかり食べます。

数えずの井戸/京極 夏彦

怖さ:☆☆☆ /5

迫力:!!!!!!!!! /5



京極夏彦さんの

「数えずの井戸」を読みました。



番町青山家屋敷跡、通称「皿屋敷」に

怪事が起きると噂がたっていた。


当主の播磨は惨死し、

青山家の側用、若党、腰元、小姓の

ほとんどが屋敷で殺害されていたという

いわく付きの屋敷である。


人々は事件の真相を

予想し噂し合った。



江戸の怪談をアレンジした

京極氏のシリーズ3作品目です。

「番町皿屋敷」の怪談話が

元になっているようです。


幽霊のお菊さんが井戸から出てきて

お皿を数えるという話でしたね。


子どもの頃に聞いた単純な怪談が

かなり深く掘り下げられていて、

京極氏の他のシリーズの登場人物も絡んできます。


知っている怪談とはまた雰囲気の違う

驚きのストーリーになっていました。


おもしろかったです。


序盤は登場人物それぞれの

日頃の想いがツラツラと書かれていて

少し入りにくかったのですが、

後半は盛り上がりましたよ。


ジメジメ、ツラツラと来て

最後でバーンとはじけた感じです。


擬音語で面白さを

表現してみました。


菊やその幼馴染の三平、

青山家当主の播磨、そのかつての友・遠山、権六、

許婚の吉羅、

青山家の側用人の十太夫、

それぞれの想いのすれ違いが

なんとも切ないラストでした。


巷説百物語シリーズの

又一さんが活躍してました。



面白かったですが、

このシリーズの中だと

「嗤う伊右衛門」の方が

個人的には好みかも、です。


嗤う伊右衛門/京極 夏彦

実は「覘き小平次」は未読なのです。

今度読む予定です。