「今朝の春」中休みの平穏? | 本の話がメインのつもり

本の話がメインのつもり

気まぐれに選んだ本を読みながら、何となく見つけたジャンクな菓子ばかり食べます。

今朝の春―みをつくし料理帖 (ハルキ文庫 た 19-4 時代小説文庫)/高田 郁

おいしそう:食食食食 /5
平穏:☆☆☆ /5

高田郁さんの

「今朝の春」を読みました。


八朔の雪 」「花散らしの雨 」「想い雲 」に

続く江戸の女料理人・澪の

「みをつくし料理帖」シリーズ4作品目です。



『花嫁御寮』――ははきぎ飯

 つる屋に小松原がやってきた。鯖と大根の汁物を出した澪は

 その目元が浮腫んでいるのに気付いた。そして小松原は

 腎の臓の薬となる「ほうき草の実」が入った包みを忘れていく。


『友待つ雪』――里の白雪

 常連客である戯作者の清右衛門は次作に吉原の幻の太夫

 「あさひ太夫」を題材にすると言い出した。あさひ太夫の

 幼馴染である澪は彼女の身を案じる。


『寒紅』――ひょっとこ温寿司

 澪はおりょうの夫・伊佐三が派手な女と歩いているところを

 見てしまった。伊佐三が茶屋の娘に入れあげているという噂に、

 おりょうは追い詰められる。


『今朝の春』――寒鰆の昆布締め

 江戸の料理番付の版元である聖観堂がつる屋にやってきた。

 今年は「登龍楼」と「つる屋」の料理で票が割れ、

 番付が発行できないため、料理対決をして欲しいと頼まれ……。



今回も面白かったです。


新発展も少なく、

平穏な気分で読めました。


1作目、2作目にあるような

ハラハラした要素は薄くなりましたが、

シリーズものとして

ドンッと腰を据えてきた雰囲気が

出てきましたね。


謎の侍・小松原様のことが

また少しわかってきて、澪ちゃんとの

距離も縮まったように感じます。


澪ちゃんの幼馴染「あさひ太夫」こと野江ちゃん、

つる屋のスタッフの近況、

ライバル店「登龍楼」との対決など

満遍なく気になるエピソードが入ってくる辺りも

さすがの好バランスです。


次作品あたりでドカンと事件が

起きないかな、という期待も持ちつつ、

楽しみにしています。