鬱々: /5
ドキドキ: /5
雫井脩介さんの「犯罪小説家」を読みました。
- 待居涼司は自身の作品「凍て鶴」で
- 日本クライム文学賞を受賞し
- さらに有名となった。
しかし担当編集者が持ってきた- 映画化の話は待居の憂鬱の種だった。
- 脚本・監督・主演をこなす若き鬼才・小野川充の手により
- 「凍て鶴」に込めれた待居の内面が
- 大胆に推測されていく。
- 待居はそれを不愉快に思いながらも
- 話を進めざるを得ない。
- そして小野川充は作品を数年前の
- 集団自殺サイトの事件に投影し始める。
始めはちょっとノリ切れなかったのですが、
進むにしたがって面白くなってきました。
作品が小野川によって
アレコレ深読みされて、
過去の事件に勝手に結び付けられていき
原作者をイライラさせる。
序盤はこんなやり取りが続くブラックなコントみたいでした。
小野川さん、空気読めない人だな。
……と、思った時点で作者の思うツボ、
かもしれないですよ。
この作品は進むにしたがって
とある二択に追い込まれます。
ドキドキしますよ。
そして感情移入しやすい登場人物の一人も
あっさりと殺されちゃったりして、
ちょっぴりショッキングでもありました。
全体に漂う鬱々、じめじめな雰囲気も手伝って
なんともブラックな感じの作品ですね。