「妖怪画の系譜」妖怪今昔 | 本の話がメインのつもり

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気まぐれに選んだ本を読みながら、何となく見つけたジャンクな菓子ばかり食べます。

図説 妖怪画の系譜 (ふくろうの本/日本の文化)/兵庫県立歴史博物館




役に立つ:うーん /5
興味深い:GOODGOODGOODGOODGOOD /5



「妖怪画の系譜」を眺めました。

最近高橋克彦さんの「だましゑ歌麿 」を読んだばかりで

非常にタイムリーでした。


物語中に出てくる春朗(後の葛飾北斎)や

鳥山石燕の弟子・歌麿の書いた妖怪画も

収められています。

もちろん鳥山石燕の妖怪画もたくさん載っていました。

京極夏彦好きな方には見覚えがある絵ばかりかと思います。


妖怪画といってもおどろおどろしい絵はわずかです。

ユーモラスでかわいいものが多い。


著者は何度も「江戸のポケットモンスター」という

表現を使っていますが、まさにそんな感じです。


個人的に大笑いしたのが、「神農」の化け物退治の絵巻です。

これがすっごくくだらなくて、最後は神農たちがふんどし一丁に

なり、ビームのようなおならをブチかまし、

おならで挟み撃ちし化け物の大将を土下座させています。

なんたるバカバカしさ。小学生か……(喜んでいる私もね)

著者曰く「『屁』に対する絵師のただならぬ執念を感じさせる


「稲生物怪録」の絵巻もシュールで面白かったです。

これは化け物の絵は気味が悪いんですが、

様々な怪異を前にした主役の稲生くん(16歳)の表情が

どれも「ふーん」って顔。

随分とつまらなそうなだな、君。


稲生くんのその勇気に根負けした化け物の頭が

化け物たちを連れて帰っていくというストーリーなので

そんな顔してるんでしょうけど……


そして明治、昭和まで時代は進み、紙芝居や貸本、

手塚治氏、水木しげる氏の漫画なども紹介。


さらに「地獄先生ぬ~べ~」、「うしおととら」、「百鬼夜行抄」

など比較的新しい漫画、

さらに新しいもので「かのこん」、「ぺとぺとさん」などもご紹介。


まさに妖怪の昔と今が丸分かりなのです。