「寝ずの番」笑える短編集(ちょっとお下品) | 本の話がメインのつもり

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気まぐれに選んだ本を読みながら、何となく見つけたジャンクな菓子ばかり食べます。

寝ずの番 (講談社文庫)/中島 らも

笑:ウケるウケるウケるウケる /5

お下品:ラブ☆ラブ☆ラブ☆ /5



中島らもさんの「寝ずの番」を読みました。


以前らもさんの作品を読んだ際に幸太郎さんに

頂いたコメント中にタイトルがあったので

気になって読んでみました。



『寝ずの番』

 咄家橋鶴が76歳で死んだ。奥さんの志津子、弟子たちに

 囲まれて橋鶴が最期に見たいと頼んだものは……

 「そそ(女性器)がみたい」


『寝ずの番Ⅱ』

 兄弟子の橋次兄さんが階段から落ちて死んだ。

 通夜の夜橋次兄さんの験の悪さが俎上にのぼり、

 酔っ払った橋鶴の弟子達は大いに盛り上がる。


『寝ずの番Ⅲ』

 後家志津子姉さんが死んだ。

 その昔人気の芸子だった志津子を橋鶴と取り合ったという

 老人が通夜に訪れ、弟子達と歌合戦の死闘を繰り広げる。 


『えびふらっと・ぶるぅす』

 キャバレーのバンド、ベースの面接に行ったその日に

 演奏を頼まれた石黒、酔客のつまみ出す係をしている

 大男は子どもの頃の友人・横ちんだった。


『逐電』

 「熊と闘ってくれないかね」と言われ、ギャラのよさに

 つられて承諾してしまったプロレスラーのヒロ。

 闘いまでの一週間、生きた心地がしなった。


『グラスの中の眼』

 酔っ払って義眼を外して見せて欲しいと言い出す

 小林と藤崎の飲み仲間。さらに調子に乗って3人は

 犬のかぶりものをして次の店へと飲みに繰り出すが。


『ポッカァーン』

 小学生の頃に流行っていた「ぽっかぁーん」という

 小さななイタズラ、39歳になった”僕”は

 ふいにそれを思い出し、それを披露した。


『子羊ドリー』

 小説を書くのに忙しい”おれ”は仕事をクローンに

 やらせて自分は遊ぶために大枚叩いて自分のクローンを

 つくったが、それは性格まで自分にそっくりだった。


『黄色いセロファン』

 ぎょう虫検査の用紙が配られて、”ぼく”はふと天使のような

 河口晶子さんにも肛門があるのだろうか

 と、不思議に思った。



バカバカしくて面白かったです。

下ネタ多いですが、そんなにディープでもなく

「あはは」っと笑える範囲です。


しかし一番分からなかったのは

「ぽっかぁーん」です。

それって本当に流行ってたんですかね、

それとも虚構??


私はきいたことがないですが、

短編の中の人たちは懐かしがっていたので

気になりました。


私はぎょう虫検査の方がなつかしい……



表題作の「寝ずの番」シリーズはやはり一番好きかも。

お通夜というシーンなのにすごく笑える。


私のお通夜もこんな感じでみんな笑って

思い出を語ってくれたらいいなぁ、と

思いましたね。

その日があまり早く来ない事を願いますが……


実際私の祖父のお通夜は何だか楽しかったです。

知らない人がやってきてはじいさんの武勇伝を

語ってくれたり、笑い話がいっぱい出てきたりして。


みんなで徹夜という非日常的な行為もテンションが

あがりました。



下ネタ嫌いでない方にはオススメの短編集です。