「阪急電車」ハッピーな気分になれる電車の話 | 本の話がメインのつもり

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気まぐれに選んだ本を読みながら、何となく見つけたジャンクな菓子ばかり食べます。


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心温まる:あったか気分あったか気分あったか気分あったか気分きゅん☆ /5

ラブあり:かんどーかんどーかんどーかんどーかんどー /5

構成:GOODGOODGOOD /5



惠さんのブログのオススメ欄にひかれて

有川浩さんの「阪急電車」を読みました。



征志が宝塚駅で乗り合わせた女は

いつも図書館で見かける本をめぐっての”ライバル”だった。

悔しいことに好みのタイプの女だ。


征史はあえて別の車両に乗ると

偶然なのか彼女が車両を移動してきて

隣に腰掛けた。


宝塚駅から始まり西宮北口駅で折り返す、

片道15分の車内で生まれた物語たち。



かなりハイレベルな癒し系です。


実は有川さんのベタベタに甘い恋愛要素が

ちょっぴり苦手でずいぶん久しぶりに

有川作品を読みました。


総合的にみてキライではない作家さんなので

甘さ控えめのものがあれば読みたいなぁと

常々思っておりました。


そんな中この作品はやや甘めなもの、

鼻につかずちょうどよかったです。


同僚に婚約者を寝取られ、結婚式に白いドレスで

出席する翔子、

乗り合わせた初老の女性に指摘されて、

暴力的な彼氏の存在を冷静に考えはじめたミサ、

車内で大騒ぎする女子高生に

大騒ぎするおば様たち、

それぞれの登場人物たちが微妙にリンクしあっている

という構成もおもしろかった。


連作短編で各タイトルが駅名になっています。

そしてその駅名が折り返し地点を越えるとそれぞれの

登場人物たちの少し未来を見ることができます。


前向きな雰囲気でとてもハッピーになれました。


毎日同じ電車に乗ると確かにちょっとした物語は

生まれそうな気がしますが、

現実なかなかお目にかかりませんね。


ドラマティックなのは金曜日の夜の酔っ払いの動き

くらいでしょうか。

アレは釘付けになります。

周りの人がちょっとハラハラしているのが

何となくわかるからちょっとした

連帯感を得ることもできますね。


作品とは関係ない話でした。