「塩の街」途中から妙に甘い | 本の話がメインのつもり

本の話がメインのつもり

気まぐれに選んだ本を読みながら、何となく見つけたジャンクな菓子ばかり食べます。

塩の街/有川 浩

「塩の街」を読みました。

有川さんのデビュー作ということで興味津々。

いろんな意味ですごかった……



人が塩の徐々に塩の塊と化してしまう”塩害”という

現象が起こっていた。

人の多い東京はいたるところに塩の柱が立ち、

交通も寸断され、生き残った人々は配給に頼り

静かに暮らしていた。


そんな東京を大きなリュックを背負ったひとりの青年・遼一が

海を目指して歩いていた。


高校生の真奈は買い物の帰りに行き倒れていた遼一を見つける。

彼の目的地を聞き、無茶だと思った彼女は居候している

家へと彼を案内する。

遼一の目的は何なのか、そして重いリュックの中身とは。



”塩害”の設定とか殺伐とした東京の雰囲気とかカッコイイ!

これがデビュー作!?

しかもライトノベルの設定とは思えないんですが(^^;)

ライトノベルってもっとライトじゃないんですか……


とにかく上手い、なぁ(>_<)


塩の街となった東京などで起こる2つの短編テイストのストーリーが始めに

来て、主役の秋庭と真奈がメインのストーリーになるという

ちょっと変わった構成です。


私、断然始めの2つのストーリーが好きです。

このまま連作短編っぽいノリでいってしまっても……

とも思いました(^^;)


だって秋庭と真奈の話になった途端に何か……

ベタ甘恋愛ストーリーに(0_0)!!

ちょっとバランスが、スミマセン、違和感(^^;)


恋愛モノ嫌いなわけではないですが、

はじめのカッコイイ舞台に切ないストーリーというのが

よかっただけに、ちょっとびっくりでした。


デビュー作にいくつか後日談やサイドストーリーが

加わっているのですが、ほとんど甘い恋愛モノでした。

やっぱりこっちが主流なんですね。


せっかくみんなの恋愛を描くならかなり悪人に書かれている

秋庭の友人の入江さんもかわいい女の子とねんごろに

してあげればいいのに(笑)


少女マンガより少年マンガが好きな私にはちょっと恋愛過剰に

感じました。

少年マンガで冒険の合間のちょっとの恋愛にときめくんですが、

おかしな女子ですかね、私(^^;)


しかしデビュー作でこんなに書けるなんて

相当勉強されたんでしょうか。