「黒猫ロック」恋愛だけじゃなかった | 本の話がメインのつもり

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気まぐれに選んだ本を読みながら、何となく見つけたジャンクな菓子ばかり食べます。


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さらり、とさわやか:♪♪♪ /5



初めて読む作家さんの谷村志穂さん、

「黒猫ロック」を読みました。



『雨のガードレール』

 雨の中震えながら兄ちゃんを待つチエコ。

 「あれ、お前まだいるのかよ」急に男に声をかけられた。


『今日もブランコと泣く』

 知らないオヤジによく声をかけられる”あたし”は

 今日も公園のブランコに座っていた。


『黒猫ロックは窓辺に来る』

 窓に向けられた机から見える黒い影、黒猫のロックは

 毎日遊びに来る。

 

『HERO/ヒーロー』

 俺はクサッていた。お菓子を買って、親友の隆の家へ

 行くと女が来ていて追い返された。


『星の並ぶレストラン』

 フランス帰りの淳之助、アメリカ帰りの加奈、

 2人はパリの動物園にあるレストランの話をしていた。

 

『ミスドン』

 お菓子をたくさん食べて、眠ることが大好きなミナコ、

 ミスドンに出会ってからミナコはすっかり太った。


『ルーキーたち』

 青山の商社に入社したばかりの亨はいきなり体調を崩し

 入院することになってしまった。


『放課後の匂い』

 お説教を終えて教室に戻った中村稲子はいきなり

 優等生の伊東保に誘われた。


『僕らの子らに』

 森埜と男は毎年スタジアムでラグビーを見る。

 かつては婚約者同士として。しかし今男には妻がいる。


『沐浴する幼い女。』

 朝、水音に足をとめると、昨夜メディカルセンターで働いていた

 幼い女が沐浴をしていた。


『YO――!』

 いつもどおり制服を着て、ソックスをはき

 定期券を出した”私”、駅員に休日だと教えられて……


『愛を教えて』

 由里はたくさんの男たちと関係があった。

 しかし孝夫のことは好きだと思う。



ショートショートクラスの短いと短編の詰め合わせです。

初めての作家さんなので読みやすそうな短編から

入ってみたのですが、印象が薄かったです。


ありきたりな言い方ですが、「日常を切り取った」

ような雰囲気。

大事件もなければオチもつきません。

でも何となくさわやかで好印象かも。


その中でも気になったのが『ミスドン』でしょうか。


やたらとやせることがもてはやされる

昨今ですが、この短編の主人公は

ミスドでいくつもドーナツを頬張る太った男の子を

目撃して以来、どんどん積極的に太っていきます。


そして眠っているととても幸せなんだそうです。

新鮮な価値観をみた気がしました。


勝手なイメージで恋愛系ばかりかな、

と思っていたのですが、

そうでもなかったです。


谷村さんらしい作品といのはどんなものか、

全然見極められませんでした。


やはり長編を読んだ方がよかったかも、です。