女の子同士: /5
甘酸っぱい青春: /5
あさのあつこさんの「ありふれた風景画」を読みました。
高遠瑠璃は見におぼえのないことで
一級上の3年生・長田志穂に呼び出されていた。
彼氏であった加水洋祐にフラれたのは瑠璃が誘惑したからだと
言いがかりをつけるのだ。
高校で瑠璃はウリをやっていると噂を立てられている。
その為2~3回言葉を交わしただけの加水洋祐との仲を
疑われているようだ。
とうとう暴力に訴えてきそうな先輩達から瑠璃を救ったのは
大きな鴉・タロウだった。
タロウを通じて出会った綾目周子も学校であらぬ噂を
たてられていた先輩だった。
鴉と会話したり、霊能力があったり、呪いをかけたりと
荒唐無稽な噂だ。
だが瑠璃は綾目周子どんどんひきつけられていく。
女の子同士の恋愛ものでございました。
初めこの話がそういう話だという予備知識がなかったので
どうなっていくんだろうか、とドキドキ。
何に対してもくクールだった瑠璃が綾目周子への恋心を自覚したり、
若干問題のある家族と対話したり、加水洋祐の大失恋を目の当たり
にしたりすることでいい意味で「老いて」いく。
綾目周子はとても不思議ちゃんだったので序盤はちょっと
引きましたが、過去の恋愛や彼女のちょっとした能力、
それに関する彼女の負い目が分かってくるとちょっぴり不器用で
なかなかかわいい人物に見えていました。
ちょっと気になったのが河水洋祐の恋愛です。
29歳の女性と高校生のカップル……(0_0)
うらやましい……、いや、すごいなぁ。
しかも河水洋祐の惚れっぷりが半端ないです。
高校生さん達、29歳とかアリなんですか。
しかし最後まで29歳の彼女の真意がみえなかったのが
ちょっと残念。
彼女と年齢が近いだけにちょっと気になる
恋愛模様だったんだけど、
あくまで主軸になるのは女の子たちの物語だということなんでしょう。