何となくだけいど懐かしい: /5
長野まゆみさんの「コドモノクニ」を読みました。
21世紀が訪れる31年前のお話。
小学生の”わたし”ことマボちゃんは友達と
ペットのインコや手芸、新しいお菓子、オシャレに夢中だった。
マボちゃんから見た子どもだけの世界は
何となく懐かしいです。
意味もなく流行ったり廃れたりするちょっとした
小道具は自分の小学生時代も思い出させてくれます。
残念ながら世代が違うので「?」と思うような
ものばかりだったのですが、多分50代前後の方は
ぴったり時代がハマって面白いと思うのですが。
例えば私が聞いたことがあるのは
チロリアンテープとか、大阪の万博、フィンガービスケットに
新幹線、と帯に記載されていたアイテムばかりでした。
あとホワイトロリータも分かります。
あの白いお菓子ですよね、好きです(^^)
知らないものはスイスロールとか……
当たり前のように出てきて「ちょっと分からないよ」という
展開も多かった。
タイトルどおり子どもの世界が上手い具合に描かれています。
マボちゃんたちはすごく流行に敏感なようで
「あれはいい」、「あれはダメ」とハッキリとしています。
何となくですが、「枕草子」を思い出します。
「よし」「わろし」をたくさん書き込んだ感じで、
マボちゃんの大好きなものが分かりやすい。
私の小学生時代で「匂い玉」と「チャーミングシール」
というアイテムが忘れられません。
「匂い玉」は文字通り香りが付けられた素材不明の5㎜くらいの玉で
色や香り、珍しさによって価値が違っています。
友達とトレードしたりして小瓶にため込むというのが主な遊び方です。
「チャーミングシール」は今携帯電話に張る様に売られているような
立体的でキラキラしたシールで主に宝石を髣髴とさせるような
形をしています。これもトレードしたりして名札の裏に張って集めました。
そんな懐かしい雰囲気を楽しむのにはいいかもしれませんが、
よくわからない時代の話だったので深く感情移入はできなかったです。
時代が違えば子ども達が興味を持つものも違うんですね。
マボちゃんたちの興味を持つものは私の子どもの頃より格段に
高等な気がしましたが……スクラップブック作ったり、
作家の言葉を書き留めたり、とかするんだね……