「娼年」小指の痛みと共に | 本の話がメインのつもり

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気まぐれに選んだ本を読みながら、何となく見つけたジャンクな菓子ばかり食べます。

娼年/石田 衣良
今日はバランス崩した拍子に足の小指の間にステンレスの棒が
引っかかり、そのまま転んだ。
ついてない(:_;)
まだ痛い。

そんな今日は石田衣良さんの「娼年」を読んだ。


大学にも週に一回くらいしか顔を出さずにリョウは

バーテンダーとしてアルバイトをしていた。

ある日友人でホストをしているシンヤが店に連れてきた

中年の女性・御堂静香に出会う。


正体不明の魅力的な御堂に誘われて会うこととなったが、

それは彼女が経営しているクラブの採用試験も兼ねていた。


そしてリョウは女性に体を売る娼夫になった。



これもまた官能系の小説でした。

石田衣良さん、こういう「裏」っぽい話多いな……


売春のお話なんですが、いわゆるホストものの

話と展開は似ていました。

新人のリョウがいろんな女性に体を売って仕事をする中で

その欲望の世界に興味を持っていく。

やがてナンバーワンだった”アズマ”という少年と肩を並べる。


いわゆる成功物語ともいえそうなんですが、

リョウがあまりに淡々としているので

「売れっ子になれて嬉しい」とか「お金が増えて嬉しい」という

俗っぽい感情が全くみえない。


むしろリョウ自身が女性を喜ばせるということに

ハマってしまって貪欲にその道を追求した結果売れっ子に

なっちゃった、という感じ。


本来ライバルになりそうな”アズマ”との関係もちょっと

危険な香りが漂っています。


(↓ネタバレかな?)


”アズマ”は本人いわく本物のマゾヒストで快感と痛みの神経が混線

しているそうです。


たまに石田さんの描写は読めないほど痛い表現もあるので

”アズマ”の性癖がわかったとき読むのやめたほうがいいのか、と

少し考えましたが、そこは大丈夫でした。


彼は痛みを得るためにリョウに小指の骨を折ってもらい、

その後の痛みを一晩中楽しむというホンモノっぷり。


それで今日小指をぶつけたときにふとアズマのことを

思ったのですが、当然気持ちよくなんてない。

私はMではないようです(@_@;)


取り合えず続きは読んでみたいような気がします。

そのうちに(^^;)