「うそうそ」若だんな旅に出る | 本の話がメインのつもり

本の話がメインのつもり

気まぐれに選んだ本を読みながら、何となく見つけたジャンクな菓子ばかり食べます。

うそうそ/畠中 恵

「しゃばけ」シリーズの第五弾、

「うそうそ」

を読みました。


うそうそ たずねまわるさま。

      きょろきょろ。うろうろ。「江戸語辞典」より



ある夜、若だんなはおかしな声を聞いた。

女の子の泣き声や「若だんなを殺そう」という

不吉な話し声。


江戸は何度も地震が起きるし、

若だんなの体調もすぐれない。

そこで母親のおたえが若だんなの

湯治を提案し、お馴染み”あやかし”の手代二人組と

兄の松之助と箱根に湯治に出かけることになった。


若だんなにとって楽しいはずの

初めての旅だったが、若だんなを心配して

片時も側を離れない手代の二人組が

忽然と消えた。



久しぶり、というか一巻以来の長編でした。

一巻の長編がイマイチだったので

どうなのかなーと思っていましたが、

結構面白かったです。


どちらかというと座敷で寝ながら”あやかし”たちの

情報をもとに推理を展開していた

”アームチェアディテクティブ”

っぽい若だんながアクティブに動き回ってます。

ただしほとんど手代の背中に負ぶわれていたり、

駕籠に乗せられてるんですが(^^;)


逆に若だんながその推理力を働かせるチャンスが

あまり無かった気がします。


そして相変わらず表現がかわいいです。

鳴家や今回の長編の主役の姫神様の動きとか

表情とかのかわいらしさが目に見えるようで(^^)


長編もいいですが、

でもやっぱり私はこの物語においては

短編の方が好みです。

長編って何だか大事になってしまって、

私の好きなほのぼのした感じが薄れて感じます。

若だんなはお座敷が似合っています、残念ながら(笑)