「うつくしい子ども」犯罪者の家族 | 本の話がメインのつもり

本の話がメインのつもり

気まぐれに選んだ本を読みながら、何となく見つけたジャンクな菓子ばかり食べます。

うつくしい子ども (文春文庫)/石田 衣良

「うつくしい子ども」を読みました。

石田衣良さんの本を読んでみたかったので。


「弟は、なぜころしたのだろう?」

という帯が付いていました。

本を手に取ったときは何とも思いませんでしたが、

読み始めてから、自分が犯人は「弟」だと知っているのに

違和感を感じました。

え、帯……??



幹生はあばた顔でじゃがいもに似ていると

同級生から「ジャガ」と呼ばれている

普通の中学生だった。

妹と弟が一人ずついるが、二人とも幹生とは

違ってモデルをするくらいの「うつくしい子ども」

だった。


ある日幹生の町で猟奇殺人事件が起きる。

やがて犯人が弟のカズシであると発覚し、

仲のよかった家族は世間のバッシングに

晒せれてバラバラになってしまう。

そんな悲しみの中で幹生は

カズシが何故そんなことをしたのか、

自分だけでも彼のそばにいてやろうと

彼の心を追いかけて調査を開始する。



「ウエストゲートパーク」しか読んだことがない

私は雰囲気が全然違うのでびっくりしました。


何となくですが、東野圭吾さんの「手紙」を

思い出しました。

この話は罪を犯した兄のせいで弟がかなり

辛い思いをする話です。目線が罪を犯した「兄」に

置いてあるのでこの物語とは逆になるのですが、

犯罪者の家族への世間の目の恐ろしさは似ていました。

犯罪者とその家族の姿、というのもこの作品の

テーマのひとつなのかな。



幹生がカズシが何故そのようなことをしたのか

調べる過程で味方になってくれる友達も

表れます。知っている情報や特権を生かしたり

した小さな捜査はミステリ作品のような雰囲気でした。

でも最後は何だか釈然としませんでした。

面白かったような、ちょっと疲れちゃったような。

もうちょっと石田衣良さんの本を読んでみたいです。

あまりに「ウエストゲートパーク」と違ってて

逆に興味が出てきた(^^;)