昨日実業団陸上を間近で見てウォーミングアップとクールダウンを見ていて2通りあるように感じました。
ウォーミングアップは誰もがします。
クールダウンは選手によって違います。する選手、何もせず寝る選手。
知識として、教育として、
「ウォーミングアップとクールダウンは必ずしなさい」
と教えられてきました。
そのため僕が選手時代にクールダウンをしていないと
「不真面目な選手」と捉えてられているように感じることが何度かありました。
僕はウォーミングアップを徹底し、クールダウンをしない選手です。
ウォーミングアップは試合前の様々な準備(移動、設営、受付、メカ調整、着替え、食事等)をこなしながら限られた時間の中で行います。
イメージとしては100ある能力を100使えるようにするための調整です。
ウォーミングアップなしでは80ほどしか動いてくれません。アップなしでも動く筋肉と動かない筋肉があるため、この状態で突然動くと動く筋肉が動かない筋肉を破壊します。
11速の変速機に10速のギヤを取り付けたような感じでしょうか。動くところは動くけれど壊れるかもしれないような感覚です。
ウォーミングアップをすることによって100使えるようになるのですが、次は101、ときには110動くようになり、こちらも体が破壊されるかもしれません。
僕はその自分で自分の体を破壊できるギリギリまで調整できるようにアップします。
記録の出る破壊と記録の出ない破壊。
記録を出すため、結果を出すために自分の殻を破るために限られた時間でウォーミングアップをします。
僕は1時間30分かけて調整します。
ウサインボルトは世界記録を出した時は30分。その後45分になったそうです。
短さに驚きました。それ以上すると疲れも出るし予選、準決勝、決勝と上げていく特殊な環境からこのような時間になったのでしょう。
血管を広げ、筋肉を目覚めさせ、苦しみに耐えられる精神力を呼び起こすウォーミングアップ。
奥が深いものです。
次回はクールダウンについて