21日(土)、「びわ100」(100㎞ウォーク)に参加しました。制限時間は30時間、22日(日)の午後4時が関門です。

 

トライアスロンを始めた頃、トライアスロンのロングタイプと100㎞ウルトラマラソンを走ってみたいと思っていました。

トライアスロンロングタイプは40代の時に完走しましたが(全日本皆生トライアスロン)、100㎞ウルトラマラソンはその頃は大会も少なく(北海道のサロマ大会が有名)ずっと心の中でくすぶって現在に至っていました。

今はもう左膝を壊して走れませんが、「100㎞」の思いを遂げたくチャレンジしました。

 

コース図です。

 

スタート地点の「長浜 豊公園」です。

午前10時、雨は上がりましたが北風の吹く中、「おごと温泉」のゴールを目指す長いロードの始まりです。

強い風で「琵琶湖」は大荒状態れでした。これからどれだけ体力を消耗するのか全く想像がつかない不安を抱えながら、最初のチェックポイントを目指します。

 

「長浜市」を出て「米原市」「彦根市」を通り、「近江八幡市」に入るとしばらく歩き、午後5時過ぎに最初のチェックポイント(32㎞地点)に着きました。まださほど疲れはなく、持っていたおにぎりなんかの食べ物もスムーズに食べられました。気温が下がって来たので上半身にウインドブレーカーを着ます。

 

チェックポイントを後にして30分ほどで暗くなって来たのでヘッドライトを着け、チェックポイントでスタッフの人に、選手全員に背中にフラッシュランプを着けてもらったのですが、前を行く選手のその光を追う様に歩きます。

 

「近江八幡市」と別れ「野洲市」に入る頃、フルマラソンの距離を超えました。これから先は私にとって未知のエリアです。

 

日付が変わって午前0時30分頃、「守山市」に有る2番目のチェックポイント(59.5㎞地点)に着きました。ここではプロのマッサージ師のケアを受ける事が出来るのですが、なんと1時間以上待ちの状態。とても待つことは出来ないので、自分でストレッチをして、しばらく休憩して出発しました。

 

寝静まった闇の街を、30~40分ぐらいの周期で襲ってくる強烈な眠気と脱力感に耐えながら、黙々と前に進みます。

 

「守山市」を後にして「草津市」に入ります。午前4時を遥かに過ぎ、何とか第3チェックポイント(70.3㎞地点)にたどり着きました。ここに着く少し前、右のふくらはぎに痛みを感じていました。有難い事に前のチェックポイントで受けられなかったマッサージ師のケアを受ける事が出来、痛みも和らぎました。ただ食事はほとんど摂れず、スープやみそ汁、汁粉と言った流動食系の物しか入りません。少し長めの休憩を終えて出発する頃には空は少しづつ明るくなって来て、秋晴れを思わせる空気が覆い始めました。

 

チェックポイントを後にして「琵琶湖」が見える所まで来ると、空は青く、湖面は昨日の荒れた風景とは一変した、私の好きな穏やかなエメラルドグリーンの「琵琶湖」が目に入ってきました。(少し疲れが取れた感じかな~) 「瀬田 漕艇場」に沿った遊歩道を歩いていると、学生の漕ぐボートやカヌーが何艇も湖面を滑るように走っているのが見えます。(私どもの娘が高校のボート部にいた頃、何回か訪れた事が有り、とても懐かしかったです。) 

 

「琵琶湖」と暫し別れて、「瀬田川」沿いを南下。午前8時頃4番目のチェックポイント(80㎞地点)にたどり着きました。今まで感じた事の無い疲労感と痛みが一気に襲って来ました。「あと20㎞」が重くのしかかって来ます。気温が上がって来たのでウインドブレーカーを脱いで身軽になり歩き始めます。

 

「瀬田川」の対岸沿いを「石山寺」を通って北上し、「大津市」の湖岸を目指します。途中から人や車の量が多く成り、ホテルやレジャー施設などの建物も目立つ様になって来ました。「琵琶湖」湖岸に出ると、広々とした公園が湖に沿って遠くまで続いています。

 

お昼頃(午後0時)、やっとの思いで最後のチェックポイント(90㎞地点)にたどり着きました。ここは午後1時で閉鎖です。重い身体を少しだけ横たえて、「あと10㎞で100㎞の思いが叶えられる。これを支えに歩き通すだけ・・・」を心に言い聞かせてチェックポイントを後にします。

 

交通量の多い旧国道161号線を湖岸沿いに進みます。「ゴールしたら、すぐに温泉にボロボロの身体を沈めたい・・・」。この思いだけが背中を押してくれます。

 

午後3時35分ボロボロになってフィニッシュ。「もう歩かなくていいんだ」と言う解放感と、そして「100㎞」の思いが現実となった達成感の様な感覚が体中を支配しました。

ゴールには多くのスタッフの皆さんが踏破を祝福してくれました。スタッフの皆さん有難うございました。そしてお疲れ様でした。

 

 

 

今回のチャレンジで学んだ事として

① 身体造りはけが予防のため、筋トレを下半身中心に軽めのウエイトで回数を多く、週2~3回行う。ウォーキングだけの3~4㎞ぐらいのトレーニングは100㎞には余り意味がない。

 

②自分の歩く速さを知る。30分で何キロを無理なく歩けるかを知り、かかった時間で歩いた距離を計算して、現在の位置を確認する。(道路上には距離表示はナシ)

 

③夜間の防寒対策をする。今の時期は昼と夜の温度差が激しいので、荷物になるが防寒用のウエアを持って歩く。下半身は薄物、上半身は軽くてしっかりした物を用意する。

 

④ウォーキングストックを使って下半身の負担を減らす。これをうまく使うとフォームも安定します。

 

もしチャレンジして見ようと思っている方がいれば参考にして下さい。

 

<こぼれ話>

90㎞の最後のチェックポイントを過ぎてしばらくすると、70代後半の男の方が自転車で並走して来て、笑顔でしゃべり掛けて来ました。

「私はこの辺に住んでいて、大分前から皆さんを見かけているのですが、どうして100㎞と言う距離を、夜寝ることなく歩き通そうとするのか。何がそうさせるのか。」と問いかけて来ました。私は「なぜでしょうね、自己満足かもしれません。」と答えるしかなかったのですが、さらにその方は「皆さんを見ていると、とても健康な事をしているとは思えない。ふらふらして歩いたり、足を引きずりながら歩いたり。とても健康的には見えない。ウォーキングやランニングは楽しく健康を目指して楽しくやるものだ。」とおっしゃいました。

全くその通り。今私たちがやっている事を率直に評価して頂いた様な気がしました。

でも別れ際には「ゴールのおごと温泉までまだ数キロあるが、がんばって歩き通して下さい。」と励まされました。