マネジャーの仕事として、部下を育てること自体が、定型化されてルール化されてきました。そして自社のコンピテンシーモデルというのが作成され、一人一人のコンピテンシーの管理が要求されることになってきました。きちんと観察をして評価をしてフィードバックをして、育成計画を作ってフォーマットに入力して期日までに人事に提出しなさいと。
これは、チームスキルで言う個人の強みを生かすより、全能の部下を作るための理想の姿が要求されているように見えます。また、プレイングマネージャであるべきという方針も出ることが多い。人が足りないから自分もお客さんのところに出なくてはいけないとか、現場本位にしなきゃいけないとかが起こってきます。さらに、製品が高度になったり、製品の開発期間が短縮されたり、同時に複数の商品を立ち上げたり、販売チャネルも複雑に、そしてグローバル化にも対応して各国の法規制も守り、一方で部門間連携、調整業務、予算管理、進捗管理等々の会議が頻発し、マネジャーはいつも現場にいませんということになってしまいます。
実はまだまだ出てきます。たとえば国内・海外での災害の問題、メンタルヘルスの問題、環境の問題。エコにどうやってお宅の部署は取り組んでいるのかと聞かれ、カラーコピーを部下がしていないかチェックしないといけないということまで仕事がある。社会貢献事業にも何人か人を出して欲しいという要請なんかもあります。またワークライフバランスとか、ダイバーシティで、産休後復職して出てきた人たちのキャリア開発を考え、短時間労働への対応としてどの仕事を組み合わせるかという仕事。これからもっと増えてくるでしょう。そして高齢者65歳以上の再雇用をどうしていくのか、再雇用の超ベテラン(60歳以上)をどう扱っていくのかという課題も、高齢化社会に対応してますます重くマネージャにのしかかるってくると思います。高齢化社会に対応した労働力の確保という意味では、ホワイトカラーの外国人も増えてくるかもしれない。もう昔では考えられないほど、英語を使えるようにならなきゃいけないとか、外国人の社員をつかわなくてはいけない、女性の管理職を育てるために、だれか目ぼしいのを目につけて、3年以内に管理職にしろとか、どんどん言われます。
そこに、現場を見ていない多くの上級幹部もしくは上司は、「君の仕事だ」「大変だけど時代に対応してくれ」と言ってきます。
「出来ません」とは言わない。「出来る」とも言わない。「分かりました」と言う。分かったけど出来るかどうか分からない。それか、腕組んで「なるほどそうですねというかですね。
昔だったら、「でも、待ってくださいよ」って、「これとこれはどうするのですか?やらないとまずいでしょ。」って話もできましたが、上司もパンク寸前。上司の姿を見て部下は、「この人に言っても何も変わらないかも」と思ってしまい、むしろ「大変だからなりたくない」と思ってしまいます。そして、そこにリーダーシップと言っても、「どうしろって言ってんの?」と思ってしまう。
チームでも同じことが起きていると言えるのではないでしょうか。組織開発とかチームとか、風土改革のようなことが増えてきた仕事のひとつとして扱われます。「また改革という名前の新しい仕事が増えたのですか?」と思ってしまったとたんにプライオリティが低くなってしまいます。
そのため、こういう課題も全部メンバーにシェアをして、その中でリーダーがどうするか、リーダーが管理監督するのではなくて、メンバーで一緒に考えていく状況にして、ひとつでも多く前に進む可能性を作っていくというのがチームスキルです。ミーティングの中でこういうのがあるからこういう風にするのだって方針を決めて、全員で計画を作って実行することです。例えば一人一人にサブ担当決めて全員をリーダー化して、チームの力を使うという手もある。これがチームスキルで提案しているマネジメントスタイルの変革です。