「マネジメントからリーダーシップへ」という視点に加えてもう一つは、マネージャの役割が昔から比べると、格段に増えている点があります。年度方針で策定される年度計画を達成させていくという業績目標が主であれば、自分の職場での役割を考えていればよかったですが、今どきはそういうわけにはいかなくなってきています。
例えば、情報システムの構築や管理のプロジェクトに参加する必要が出たり、システムの再構築のための情報提供や仕様チェック、実際の仕事の業務プロセスを教えろと言われたりと、IT関連の仕事というのが入ってきます。二つ目は、コンプライアンス関連の仕事です。顧客からのクレームがネットで炎上して製品が売れなくなる、または訴訟されることもあります。更には内部告発も増加しているので、未然防止としての内部統制機能が企業のコストとして大きく跳ね返ってきてしまうことが増えてきています。単に単純ミスを取り締まるレポートを提出するだけではなく、社員が創意工夫による自発的取組ができるようにリーダーシップを発揮してくださいとここでも言われる。
以前にはそこまで対応が必要になることは少なかったと思います。クレームとかはありましたが、製品を交換してごめんなさいと菓子折りを持って謝ることとでお客様も許してくれたことに比べ、今どきはひとつ間違えると週刊誌やネット上のネタにされてしまいます。いかにそういった失敗をしないかということで、品質の強化、お客様窓口の対応強化、そして内部告発用の窓口の整備などして管理をしなければいけません。顧客や社員などの個人情報の管理、更には機密情報の管理も厳しくなってきています。定期的に必ず監査シートを入力して提出とか、コンプライアンス教育も部下にしてくださいとかで、がんじがらめになってしまいがちです。
昔はそんなことはなくて、「やってみなはれ。」で「とりあえずやらしてみろ。」と、上手くいったらそれそれで良いし失敗したらそれでいいじゃないか、責任とればいいんだから、ぐらいの話だったのが、一切失敗させられないという状況に変わってきてしまっています。失敗はある意味、人の育成にとても意味のあることですが、管理・監督みたいなことを多くしなくてはいけなくなってきました。