ある会社でデバイスを開発していた部門の担当
の常務さんの席は、いつも全員が見渡せる大部屋
の中にあります。個室も持たず、部門の壁ができ
にくいと言われる大部屋の真ん中に席があるので
すから、さぞかしコミュニケーションが良いだろ
うと思っていました。
しかし、或る時こうつぶやかれたのです。
「こんなに沢山開発者がいるのに、皆忙しそうに
何をやっているのだろう」
この発言に一瞬たじろいでしまいました。
部屋は一つの大部屋でも、実は理解し合えない?!
常務さんも実に1対1でお話をさせていただくと
オープンで親しみのある話し方をされる方で、管理
職の気持に配慮される方でした。しかしながら、
日ごろの打ち合わせで管理職といくら話をしても、
一般職と中々話をされる機会はなかったようです。
管理職から下の一般の開発者がやっていること、考え
ていること、これらすべてが見えてこなかったよう
です。組織が平面に見えていたのかもしれません。
また、ある会社で、組織開発で全員巻き込んだ活動
を進めて半年経った時に、組織開発のイベントとして
成果発表会を開催しました。この発表会では若手も多
く発表してもらっていました。その時、話を聞いてい
た専務さんが、「いやこの活動をやって良かった。組
織が立体的に見える。入社2年生の○○君は、随分成長
したね。将来が楽しみだ」
この専務は、個室を持っておられましたが、部下の
状態には、いつも気を配られ、「若手の○△君は、最
近下を向いて歩いている。仕事は上手くいっているの
か」など管理職に質問される方でしたが、やはり仕事
の中身までは、把握できないのが現状でした。
組織活動を見えるようにするには、一筋縄では、行
きません。手を変え、品を変え、色々な角度からオー
プンで上からも下からも立体的に見える組織を作りた
いものです。(日日草)