パドルを変えた時の長さ調整について | TEAM N.W カヤックフィッシング(kayak55公式ブログ)

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船橋法典のカヤックショップ「kayak55.com」スタッフ
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ホエールです。

 

Kayak55ではいろいろなパドルを販売していますが、そのすべては無理でも、なるべく各パドルの個性を自分自身が知った上で販売したいので、僕自身は1年〜2年ぐらいのスパンでパドルを変えています。

 

これまでもkayak55始まって以来、僕はアクアバウンドフレア、アクセントグラス、アクアバウンドのナロー、ソイヤーウッドパドル、ワーナーカマノ、アクアマリンムスタング、マーシャスバタフライ、マーシャスグラスエルゴ、マーシャスカーボンエルゴ、スウィングスターエンペラー、スウィングスターカジノ・・・などなど、いろいろ使ってきました。

 

もちろんそれぞれのパドルに良さがありました。

 

パドルっていうのは「これが一番いい!」なんていうことはなく、最終的にはそれぞれのカヤックアングラーの好みということになります。

 

例えば牡蠣殻の多い場所でパドルで突くことが多い方にとってはアルミシャフト+ナイロンブレードが良いという場合もあるでしょう。

 

反発力の強いカーボンより、少々重くても柔らかさを感じるグラスの方が合っているという方もいるでしょう。

 

雰囲気重視やぬくもりが心地よいウッドパドルがいいという方もいると思います。

 

軽さや取り回しの良さ、推進力の強さなど総合するとやっぱりカーボンがいいという方もいるでしょう。

 

カーボンの中でも抜けが良いフォームコアカーボンブレードがいいという方も多いと思います。

 

さらにその中でもシャフトはストレートが良いorベントが良い、ブレードはカーブがしっかり入っている方がいいorダイヒドラルが効いている方がいいorフラット気味の方がいい、長細い方がいいorワイドの方がいい・・・・

 

まさにパドルは沼です

(でもそれが楽しい!笑)

 

たくさんの選択肢があるパドルから自分のスタイルに合ったものをチョイスできる自由があるということです。数ある道具から自分にあった1本と出会えたら、それはロッドやリールと一緒でとても素晴らしいものです。カヤックフィッシングは釣具に加えて、カヤック本体・パドルという道具を自分好みで選ぶ部分もあって楽しさ倍増なのです。

 

さきほど書いたとおりパドルはどれが一番ということはなく、好みは人それぞれ違ってきますが、僕個人の好みにバッチリきて特に気に入っていたのは2年以上使い込んだ

 

マーシャス・グラスエルゴ

 

あとはここ3年以上使い込んだ

 

スウィングスター・エンペラー

(申し訳ありません、現在在庫切れです)

 

でした。

両方とも使い込んだの表面はボロボロですがまだまだ使えます。耐久性もばっちりですね。

 

マーシャス・グラスエルゴは陸上で持つとかなり重いのになぜかフィールドで漕ぐと重さをあまり感じないバランスの良さ。

 

そして、長細いブレードに特徴的といってほどセンターに山が立ったダイヒドラルデザインで水をしっかりキャッチしつつ適度に逃がし、とにかく疲れにくくて気に入っていました。

 

ブレード形状についてはマーシャスのグラス、カーボングラス、フルカーボン(ボタンジョイント)はすべて共通なので、どれを使ってもこの高いダイヒドラルの効果は味わっていただけます。

 

スウィングスター・エンペラーは、ブレードが小さめで比較的カーブの少ないデザイン。それなのに、まったくフラッターなどはなくスムースに水をキャッチして水中を移動していく。

 

そして、そのフラット気味なデザインによって水中での動作は最高です。

 

スカーリングやドローストローク、スターンラダーなどの動かしやすさは今まで使ったパドルの中でも頭ひとつ・・・いや、頭ふたつ抜けているという印象です。

 

スウィングスター・エンペラーはフォームコアブレードによってフォワードストローク時にスッっと抜けて水を拾わない。その浮力でブレイスでも耐えやすいし、その延長としてローブレイスターンもやりやすい。

 

さすが、僕のパドリングの大先輩・シーカヤックレインボーの中谷さんが作ったパドルです。

 

カヤックフィッシングにおいてのパドリングの必須条件は「まっすぐ進み、しっかり曲がる」

安全に行って帰ってくるためにこれがまずは絶対に必要な要素です。

 

でも、パドリングはただ釣りのための移動手段だけではもったいない。

 

まっすぐ進み、しっかり曲がることができる・・・それは当然クリアした上で、僕はせっかく操作性も楽しめる忍やプロフィッシュ45、デスペラードに乗っているので様々なテクニックも使いたい。その方が楽しいし、やりがいも上がる。

 

テクニックが使えることで自分が沈しそうになった時にローブレイスやスウィープリカバリーができた方が沈の確率を減らせるし、着岸時波に乗ってしまった時はスターンラダーがやりやすいパドルの方がいい。

 

仲間の艇がもしも沈をした時のレスキューでは艇のバウ側に正確にバウラダーやスカーリング、ドローストロークなどで近づく必要もあります。それがやりやすいパドルというのはやっぱりいい。

 

様々なテクニックが使えればその分、安全面の向上にもつながります。

スウィングスター・エンペラーに関してはそこまで追求できるパドルです。

 

エンペラーでは横浜のシーカヤックマラソンにも出たし、JSCAのアドバンスインストラクターの資格試験も受けました。特に思い入れが強いです。

 

つまり・・・・エンペラーにまったく不満はないのですが!

 

もはやスウィングスターのフォームコアカーボンパドルの良さはじゅうぶん知ったので、kayak55で取り扱っているパドルを知っておく上で、今年は新入荷したこの2本のパドルを使ってみようと思っています。

(中谷さんと漕ぐ時はスウィングスター使いますが!笑)

 

タイダルストリーム・フォームコアワイド

タイダルストリーム・フォームコアナロー

 

このパドルは横浜のサウスウインドの石田さんが作ったパドル。

サウスウインドというと足漕ぎカヤックのイメージが今は強いかもしれませんが、代表の石田さんはシーカヤッカーで、横浜シーフレンズの副理事でもあります。

 

その石田さんが5年かけたというモデル、やっぱり実際に漕いでインプレしてみたいところです。

フォームコアブレードのフルカーボンとしては業界最安値だと思われる価格も魅力です。

 

きっと使ってみたい方も多いと思うので、僕もまずこのパドルをよく理解したいわけです。

(コロナ緊急事態宣言下でその感触を確かめていないのですが、そろそろトレーニングしていきます。数ヶ月後にまたあらためてインプレしていきますね)

 

前置きが大変長くなりましたが・・・・

 

今年の僕のように・・・

 

パドルを変える際の注意点というかコツというか・・・を記載しておきたいと思います。

 

パドリングでもっとも重要なのはブレードによる水のキャッチです。

そのためにはブレードがネックまで水に入っていないといけません。

 

短すぎるパドルを使ってブレードの一部分が水から出てしまっていたら、そのブレード推進力を出しきれないということになります。

 

逆に長すぎるパドルを使うと、最初のキャッチが上からかぶりやすい(推進力が最初上方向にいくロス)、外側を漕ぎやすい(曲がってしまう力がかかるロス)、シャフトまで多く水に入りやすい(シャフトの水の抵抗のロス)と、ロスが大きくなります。

 

艇によって、その方の漕ぎ方によって最適な長さは変わってきますが、理想は

 

自分の艇においてブレードがしっかり水に入ってキャッチする範囲で、もっとも短いもの使うと効率がいい

 

ということになります。

自分にとって短すぎても長すぎてもあまりよくないということですね。

 

とはいえ、これはあくまでも理論上のこと。

 

実際は漕ぐ時のシャフトの角度、ブレードの角度を対応させていけばよほど長さが違わない限りは漕げます。例えば215cmでも220cmでも230cmでも通常のシットオンなら漕ぎ方次第でどれでも漕げます。

 

短めのパドルならシャフトの角度をつけて艇の近くを漕げばブレードは水に入ってしっかりキャッチするでしょうし、長いパドルで外側を漕ぎやすくなるにしてもパワーフェイス面を内側に向けないように意識すれば次々と新しい水をキャッチしていくスクリュー的なフォワードストロークになっていくはずです。

 

ただし、もしも自分が一番漕ぎやすいシャフトの角度があれば、それにベストな長さを使うに越したことはありません。

 

このカヤックには220cmがいい、このカヤックには230cmがいいなど・・・パドルはよく全長で語られることが多いです。それは概ね間違ってはいませんが100%正確ではありません。

 

これもレインボー中谷さんに教わってハッ!と気づいたのですが、全長以外に

 

ブレード長

 

という要素を忘れてはいけないのです。

 

たとえば今回僕はスウィングスター・エンペラーからタイダルストリームのフォームコアパドルを試すために変更するわけですが・・・

 

ブレード長がこんなに違います

右のタイダルストリームナローが一番ブレードが長く、次に中央のタイダルストリームワイド、そしてブレード長が一番短いのが左のスウィングスター・エンペラーとなります。

 

これまでエンペラーで使っていてベストだと感じていた長さと同じ長さにして、同じ漕ぎ方でタイダルストリームフォームコアでパドリングをするとどういうことが起こるか。

 

棒が水面だとします。

同じ全長で同じ漕ぎ方をすると、ブレード長の差分、タイダルストリームの方はブレードの根本が水面から出てしまうんです。

 

ブレードがすべて水の中に入っていなけばブレードの性能が活かしきれません。

 

つまり、ブレード長が長い分、パドル全長は長くしなければならないのです。

 

ではどうすればいいかというと・・・

 

ブレードの先端ではなく、ネックの位置で合わせます

ネックで合わせると、これだけ先端に差が出てきます。つまりパドル全長が違ってくるわけです。

 

スウィングスター・エンペラーを215cmで慣れていたとすると・・・

ネックで合わせると、タイダルストリーム・ワイドで220cm、タイダルストリーム・ナローで225cmぐらいになります。(だいたいですが)

 

もしいま、お使いのパドルで最適な長さだと感じていて、パドルを変更する場合、単純な全長ではなくネックを合わせた上で長さを決めてみていただければと思います。

 

もちろんブレードが違うものを使うことで若干フォームが変わってきたりもすることもあるわけで(ナローパドルほどローアングルが合ってきたり)、これはあくまでも机上の話ですが、パドルを変えた時は最初の段階でこのネック〜ネックの長さで合わせた設定から漕いでみて調整していくと良いと思います。