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1年ほど仲良くしている野良猫がいて

私は家族として招き入れたいのですが

本人の気持ちや望みを聞いてみたいです







ある日とどいたアニマルコミュニケーションのご依頼内容です。

この内容に自然と笑みが浮かび

温かな気持ちになったことを今も覚えています。



仲良くしている野良猫



という表現がとっても心地よかったのです。

目線が同じで一方通行な感じがしなかったからだと思います。




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ご依頼主のHさんは猫さんのことを

”ボンさん” と呼んでいました。

そして自分のことをボンさんは

「◯◯(名前)」か「毎晩来る女の人」で

認識してくれていると思う、と言うんです笑




ボンさんと出逢ってからのHさんは

毎日欠かすことなく通っていたそうなので

確かに 毎晩来る女の人 で通じました笑

(名前でも認識していたようですが)





Hさんは一緒に暮らしている彼氏さんと共に

ボンさん、そしてボンさんの兄弟猫さんと

夜毎夜毎一緒に遊んでいたそうです。




しかしある時、兄弟猫さんが病気になり

そして亡くなってしまいました。

そのショックからでしょうか

ボンさんも体調を崩してしまったのです。




兄弟猫さんは病気がわかっても

とても警戒心が強かったために保護できず

助けてあげられなかったという後悔もあって

人馴れしているボンさんまでも見殺しはできないと

ペット不可のマンションでありながらも

Hさんは無理矢理に家へ連れて帰りました。

そしてペット可のお家に引っ越すことを決心したのです。




間もなく元気になったボンさんは外へ出たがったために

引っ越しまでの間は・・・と、ボンさんが暮らしていた元の場所に戻し

それまでと同じように毎夜ボンさんの元に通いました。



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引っ越した先はボンさんエリア(Hさんの表現です)から

徒歩15分ほどのところ。

その頃のボンさんは1人で暮らすことにも慣れ

元気を取り戻していました。

そこでHさんは迷いはじめたのです。





外で暮らす方が生き生きして見えることから

家に迎えることが果たしてボンさんにとって良いことなのか?





・・・と。






それでもHさんは引っ越した先のお家を

ボンさんが気に入ってくれるかどうか一度見て欲しくて

「家に来る?」

と、誘って

お散歩しながら一緒に歩いて連れて帰ったのです。




ボンさんもテクテク歩いてついて行き

引っ越した先のお家の中にも入ったのですが

扉を閉めたらパニックになってしまい

今まで見たことないくらいに怒ったのだとか。




・・・そんな訳でその日はまた一緒に歩いて

ボンさんエリアまで送り届けたHさんは

ボンさんは一緒に暮らすことに対して

乗り気じゃないように感じられたために

一緒に暮らすことに関しては

しばらく様子を見ることにしたのです。








ですがそんなある日のこと

ボンさんエリアで会った猫好きのご老人から

嬉しくないことを聞かされるのです。



その中の1つが



捕獲されて保健所に連れていかれ

殺されてしまう場合も事もある



ということでした。



Hたちは(Hさんと彼氏さん)は

いつかボンさんが連れて行かれるかもしれないと心配になり

ボンさんに一緒に住むための話をしたのです。





保健所で殺される猫たちもいることを伝えた時には

今までで見たことないような悲しい顔をしたそうです。

聞かせるべきではなかったのかも・・・とも思ったそうですが

一緒に住むことを真剣に考えて欲しくて話したとのことでした。

そして一緒に住むには去勢も必要であることも

ボンさんに伝えたのだそうです。

顔を背けて嫌そうにしていたボンさんを見て

Hさんは当然だと思ったと教えてくれました。






実は猫と暮らしたことのないHさん。

ボンさんの猫としての生き方に強く惹かれ

それだけに心からボンさんの気持ちを尊重していたのです。





そして最初に書いたご依頼が私の元へと届いたのです。




ボンさんが今より安全に暮らせるように私たちの家族になりませんか?




と、聞いて欲しいと。

他にもたくさんの想いが綴ってありました。

ボンさんに聞きたいことをうまくまとめられない

とのことでしたが

私にはHさんたちの想いがまっすぐに伝わってきました。









そしてボンさんとのアニマルコミュニケーションが始まりました。







ボンさんはすごくしっかりした猫さんで

冷静で常にフラットな状態というのか

精神的な安定を感じました。





Hさんたちと一緒に暮らすことをどう思うか?ということを

一緒に暮らすことでのあれこれ(去勢手術やお留守番等)を含めて尋ねると




「今はまだそのタイミングではないと思う。

ぼくが自由にしていることが(Hさんの)喜びじゃないの?って思うから」





と、話してくれました。



野良猫としての自由な姿を見るのが愉しいのであって

家の中にいる自分には興味が薄れてしまうのではないか?



と感じているようでした。

そして



「(心も身体も)不自由な暮らしは嫌なんだ、好きじゃない。

ぼくもHさんたちも不自由になるなら

一緒に暮らさない方がいいよ」




と。



と言ってもボンさんは一緒に暮らすことは嫌ではないようで

興味を持たれないことを嫌がっている訳でもなく

シンプルにHさんに迷いがあることを感じ

そして覚悟できていないことを

タイミングではない、と言っているようでした。





(このこと以外にもたくさんお話しましたが)



お家で一緒に暮らした時のことをイメージしてみたり

お外でボンさんと一緒にいるときには

どんな感じがしているのか

どうしてボンさんに会いに行くのか

どうして一緒に暮らしたいと思うのかを

もう一度自分自身に聞いてみてはどうか?





お家にまた遊びに来てもらい

少しの時間を一緒に過ごしたら

またボンちゃんエリアまで送っていったりと

人間同士のお友達がするようにしてみるなど

自分自身が決心できるまで

そうしたお付き合いをしてみるのも良いかと思います。





といった私からの提案と共に

ボンさんの気持ちをHさんに伝えたところ




「ああ、やっぱりボンさんには全部お見通しなんだなって思いました。

もう、すべてドンピシャリです!

ボンさんは、私から見ても本当にJUNさんがおっしゃるイメージと一緒です。

懐が大きくて、すごく優しいです。いつもリラックスしてて、大人なイメージです。

でも、遊ぶ時は弾けるし甘える時は甘えるし、精神的に気負いもない感じです。

猫なんですけど、猫に感じないくらい何か全て通じる感じがしてました。」





と言ったお返事を頂きました。


そしてボンさんの言っていた言葉に対しては




「そうなんです、私には迷いがありました。

私はボンさんが自由でいる事が喜びで望みでした。

私もいつも自由を求めていてボンさんの生き方や生きざまが理想であり、

ボンさんからその生き方を教えて貰いに行っていたんです。

一緒にいたいから心配だから、危険だからと

人間の勝手でボンさんが不自由になってしまうのはどうなんだと思ったり、

でもボンさんが保健所に連れて行かれるよりはマシなのかとか」







「本当はボンさんが安全に自由に出入りできる家が良かったけど、

今の引っ越した家がいざ住んでみたらそうはいかない環境だったので、

今の家では一緒に住んだらお互い気を使ったり、

ボンさんに生活のルールを押し付けてしまわないか、

ボンさんがそこにいる事に安心して気にかける事も薄れるのではないか、

それで結局ボンさんの良いところを私たちが奪ってしまうのではと

本当に色々考えて何度も迷ってたので、全部伝わってたんだなあと思いました。

そして、私の中の迷いを簡潔にしてくれました。」







Hさんは自分自身を振り返り

ボンさんといると会話もなく

気を遣うこともなく

お互いを感じながら

ただ優しい時間が流れて行くので

逢いに行っていたことを話してくれました。



そして自分自身が不自由でやりたいこともできておらず

心のゆとりがないままにボンさんと一緒に住むのは良くない

と感じたそうで、本当に今はタイミングではないと気づき





試行錯誤しながらも



枠に捕らわれないもっと素敵な面白い関係をボンさんと築けたらなと思います!



と宣言してくれました♪









それから数ヶ月後のことです。

再度ご依頼がありました。




ボンさんをお家に遊びに連れて行こうとしたものの

お家の手前で 『行かない』 と意思表示されたので断念。

ボンさんのところに行くのも無理せずに行こうと

(この”無理せず”というのもボンさんからのメッセージでした)

毎日通うことはせずにいたそうです。




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そんなある日、ボンさんを抱っこしながら

やっぱり猫はいいなあ、里子を探そうかなあ・・・

と考えていたところ、草むらで鳴いている仔猫に出逢い

3日後には家の前で鳴いている仔猫に出逢い

あっという間に2匹の仔猫と暮らすことになったのです。





初めての猫との暮らしなために手一杯になり

自然とボンさんに逢いに行く回数も減り

ボンさんも気が楽になったかな?

なんて感じていたところ

ボンさんが少しずつ少しずつ体調を崩していきました。




その後、一気に衰弱していったために

病院で診てもらったところ色々な病気がわかり

Hさんは自宅に連れ帰り、看病をすることにしたのです。




病院では治る確率は低いと言われ

自由を愛するボンさんを

ずっとお家に閉じ込めるのは可哀想と感じたものの

外にだしても悪化するだけで体調も悪いため

外には出せないと伝えたそうです。

そして感染する病気であることから

他の猫達とは隔離しているために



寂しかったりしないのか?

ストレスになっていないのか?



ずっと看病は続けるつもりだけれど



ボンさんはどう思っているのか?

ボンさんはどうしたいのか?




と言ったことを聞きたいと

再びアニマルコミュニケーションのご依頼を頂いたのです。





ボンさんは肉体は衰弱はしていたものの

気持ちはしっかりしていて




「(Hさんが)ぼくを外においたままにできないのはわかってる。

(仮にそうしても気持ちを離せないと言う意味です)

でも、ぼくはもう一度、あの場所(元いた場所)に

(Hさんたちと一緒に)行きたいと思っているんだ」





と話してくれました。

とは言えずっと外にいたいということではないし

環境に不満があるわけではなさそうでした。

ただ、いつも一緒にいた場所の心地良い風や空気感を

また一緒に感じたい、という気持ちだったようです。






Hさんは翌日すぐに行動しました。

寝たきりで動くのもしんどそうだったボンさんが

外に出した瞬間に自分の足でしっかり歩き出したのだそうです。



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そしてボンさんと夜毎過ごしていた場所に行ったそうです。

ボンさんを慕っている仔猫さんも嬉しそうに

ボンさんにスリスリしてきたのだとか(↑の写真がその時のもの)。



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そして、いつもそうしていたように

Hさんの膝の上でまったりと過ごしたそうです。




ボンさんは食欲がなくなってしまっていたとのことだったので

何か食べたいものが無いか聞くと

抽象的ではあったものの教えてくれました。

それをHさんはすぐに理解してくれ買って帰りボンさんに出したのです。

食欲もなく、歯もないのにカリカリ(ドライフード)だけど

食べてくれるかな?と心配したそうですが


『これが食べたいんでしょ!』


っと見せた瞬間に

それまでずっと下を向いてたボンさんが顔を上げて動きだし

そしていっぱい食べてくれたのだそうです。



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それから1ヶ月ほどして

ボンさんが旅立っていったとのお知らせが届きました。




ボンさんは、その後もHさんと一緒に

「ボンさんエリア」に出かけていたようです。

そして絶食状態で、歩くのもやっとだったのに

お外の猫さんに缶詰を出した時には

急に走っていって、元気だった頃のように食べたそうです。

すぐにえづいてしまって沢山は食べられなかったそうですが

いかにその場所がボンさんにとって大切な場所であったか

そしてHさんに、そうした自分の自由な姿を見せたかったかが

感じとれるかと思います。









ボンさんは病気になってからのセッションの中で





「ぼくはどんな時でも、ぼくでいるから安心して」





と、Hさんに伝えていました。


それは、元気な時でも体調が悪い時でも

ぼくはイヤなことはイヤと言うし

ぼくの気持ちはHさんにも伝えていて

Hさんもそのことをキャッチしているよ

ということでした。






体調が悪くなるボンさんの姿をみていて

Hさんもたくさん葛藤したそうですが

この時のボンさんの言葉を思い出して

自分の直感だけを信じて過ごしたそうです。









1冊の本にできそうなほどの

素敵なボンさんとHさんの物語。

私の拙く、そしてながーーーーい文章からでも

感じられる何かがあるかと思います。

いや、ぜひ感じて欲しいです。






junさんの好きに書いてください!

ボンさんの写真も使ってください!


と、快諾してくださったHさま、ありがとうございました。

たくさんたくさん話してくれて

多くを学ばせてくれたボンさん、ありがとうございます!
















苦しくて切ないながらも、愛に溢れた毎日を送れたと思います。

あの場所で出逢ってあの場所でお別れして、全部が本当にかけがえのない時間でした。

『心が繋がる』って感覚が本当に幸せでした





ボンさんを見送った後のHさんの言葉です。






私自身、3ニャンを見送り感じたことでもありますが

同じような時間を過ごした方も多いのではなでしょうか。

こうした時にしか得られない時間ではないかと感じています。

その大切な時間を与えてくれる動物たち。




そしてその大切な時間のほんのほんの少しだけ

お手伝いさせてもらえることが私の喜びで誇りです。





私と3ニャンや、Hさんとボンさんのように

それぞれに物語があると思います。

生きている時はもちろんですが

亡くなった後でもそこから学ぶことはたくさんあります。

時々、そーっとその物語を開いてみてくださいね。

旅立って行ったコたちも、喜んでくれると思います















通常は一緒に暮らしていない動物さんとのセッションは受け付けていません。
ですが、特定の飼い主さんがおらずに、長い間、お世話している場合や
今は一緒に暮らしていないけれど、元々実家でずっと一緒に暮らしていたなど
お互いに絆ができている場合であれば、お話させていただいています。