本日のお題は、「インセンティブ制度」についてです。
営業系の部署がある企業では、そこそこの割合で歩合給的な位置づけの報奨金制度があったりします。
現代風に言えば、インセンティブ制度です。
この制度、昔は上手く機能しました。
しかし2000年頃から、インセンティブ制度は機能不全に陥っています。
私の実感としても、インセンティブ制度を導入している企業の営業成績は、一定レベルを越えたあたりで成長しなくなっているケースが多いのです。
なぜか?
答えは簡単です。
「お金」という報酬が、それほど魅力的でなくなったためです。
正確に言えば、クルマも贅沢を言わなければ持っているし、家も親からの相続でいつか自分のものになるのだから、それほどお金のために頑張らなくても…という人が増えたからです。
そのあたりは話が長くなるので割愛しますが、金銭報酬が魅力を失ったために、金銭を報酬として頑張らせる仕組みが機能しなくなったわけです。
でも会社の上層部は
「頑張ったらお金を上乗せすることにすれば、頑張るはず」
という幻想を今でも持っています。そういう時代に生きてきた人が多いから。あるいは自分がその頑張りで偉くなったから。
・・・もうお分かりですね。
金銭をエサにしたインセンティブ制度は、ニンジンを食べたいお馬さんの前に、欲しくもない肉をぶら下げるようなものです。
会社を成長させたいのであれば、インセンティブ制度を捨てなければならない時期が必ず来ます。
そこは「人の心」が絡みます。
人の心を正確に掴まないまま人事制度設計をすることは危険ですので、注意深く進めてください。
ともあれ、インセンティブ制度はすでに崩壊した手法です。
今後の社員の頑張りを期待するのであれば、他の手法を一緒に考えていきましょう。
業種ごと、会社ごとに内容が違いますので。
それではまた!!
株式会社チームグリーン 前田智宏