リーダーの定義は「リーダーとは変化をリードする者」である。万事順調で安定した状態の場合、人間は現状維持を望む。このようなときは平時のマネジメントであるから、ある意味でリーダーなど誰がやってもいいのかもしれない。しかし、戦時というのはどうかである。戦時とは変化のときであり「満足における危機」のときである。
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リーダーは、従う者がいて初めてリーダーである。リーダーシップとは、部下との間の心理的な絆であり、相互献身である場合さえある。リーダーシップが他の人間関係と大きく異なるところは、それが部下たちに対し希望と確信をもたらすべきものであるというところにある。リーダーとは、ものごとをよりよい方向へもっていってくれる人物であると、他者に実感させる人のことである。
これを心理学的に見るならば、リーダーとは次のようなものをもたらすことのできる人である。
●脅える人に安心
●不安な人に自信
●遅疑逡巡のときに行動
●弱みのあるところに強み
●もがいている熟練の技
●恐怖のときに勇気
●しらけのときに希望
●よりよき未来への確信
つまるところリーダーは、部下の心の中に、戦略に従い、その成功のため献身するという心情を生み出したとき、初めて本当のリーダーになることができる。リーダーとは、知識や理解の問題ではない。心の問題である。
ジュディス・M・バードウィック 平時のマネジメント、戦時のリーダーシップ
『未来組織のリーダー』より