演出をやっていても、役者の目なんかちっとも見ないで、ただ威張ってるばかりのやつもいますよ。そういう人はいつまでたってもだめな演出家で終わってしまう。人間として成長しないから。

(池波正太郎『男の作法』「目」より)



{37E5C6DF-CE65-4F73-BEB8-F85A783E5E6F}


池波正太郎さんの「目」についての語りが、またいいんですね。旅をすること、しかも全然知らないところを一人で旅するというのは共感する。いろいろな人が自分をどう見ているかということがわかるってわけだ。

自分も海外に行ったときに、知らない村のおじいちゃんと仲良くなったりした思い出がある。あるバーでは朝まで飲んで地元の人とサッカー談義したりね。

普段の生活というのかな、いつも同じ人とばかり一緒にいると気づけない、自分を見る目を知る。これは、一人で出かけることがいい。初めてのバーやレストランで店員や常連客の人の中に入れるかっていう試験みたいな感じね。

あとは「目」で気をつけたいのは、それなりの年齢の男であれば多くの目が見ているということだ。こっちも見ているたって、目は二つしかない。だが、周囲の目はその何倍とある訳だ。粋な男であれば、迎合するでもなく不思議と惹きつけることができるんだね。そりゃ、ジョークとスマイルも必需品だと思うがね。

間違っても、威張り散らすような男じゃ駄目だよね。『鬼平犯科帳』の長谷川平蔵が最高の手本だよね。他者の存在を認めることができる男ってのは、やはり自分自身が他者に認められることになるんだよね。






おやすみなさい