池波正太郎さんが語った「人事」っていうのがね、なかなかいいんですね。役者と演出家のことでね、例えているのだけれど本当にその通りだと思うんですね。オーケストラの指揮者とも似ているかもしれない。

演出家は配役が一番大事な仕事だし、役者を乗らせて芝居をやらせる役目がある。役者はパフォーマー、演出家はプロデューサー、この関係性だね。だからプロデューサーシップというのが大事。こんなことが勤め人にも当てはまるんですよ。全く同じようなことを20年くらい前に考えていたからね。だから、人事というのは本当に大事なんですね。



「人事」
結局ね、人間のすることは全部同じなんだ。それを間違うと大変なことになっちゃう。だからこそ「人事」というのが大事なの。会社の人事は即ち芝居の配役にあたるわけ。だが、えてしてこれがうまくいかない。もう実におかしいことになっちゃう。それがために、下手すると社運がかたむくという場合もある。

池波正太郎『男の作法』「人事」より







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