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本書『卵のように軽やかに』は、音楽家エリック・サティのエッセイ、詩、戯曲をまとめたものです。


エリック・サティと聞いて、ほとんどの人は知っているはずだがどうだろうか?「3つのジムノペディ」といえば、あぁあれねとなるだろう。


ジムノペディという名曲の誕生にはサティらしいエピソードがある。一つは、この時代まで常識とされた音楽形式に嫌悪してしまったようなサティがいたことだ。パリの街にあるバーのような場所に自分の場所を見いだすのだ。そして二つは、「ジムノペディ」という名曲はバーで誕生し初演奏となった事実である。あの静かなピアノの音色は実はとてつもなく力強い調べでもあったのである。


サティは異端の音楽家と言われているが、現代の生活様式で一般的な「家具の音楽」すなわちBGMの創造者だと思う。サティが「意識的に聴かれない音楽」というコンセプトを作ったのです。「ジムノペディ」は当時の音楽とは異質だったかもしれないがBGMではないと思う。その理由は、バーのようにガヤガヤしている場にあえて静寂で変化のない楽曲をぶつけたのではないか。この時代の音楽、とくに交響曲とは違ったものだ。


サティの「家具の音楽」が誕生した1920年から現代までにBGMという「意識的に聴かれない音楽」が浸透することにはなった。だけれども、サティが1888年に作った「ジムノペディ」は、意識して聞いても欲しい作品だったように思う。ただただ同じようなパターンで生産され、同じように劇場で演奏される音楽に、若き日のサティは一石を投じたかったのではないだろうか。


サティが残した言葉にこんな素敵なものがある。



私がずっと若かったころ、五十歳になればわかるようになるよと言われた。私は今五十歳だ。なんにもわかっていない。












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