予想どおり安倍首相が、2017年4月に10%に引き上げる消費増税先送りの判断をしたようだ。世界経済の先行きの不透明さと熊本地震による景気への影響ということだが、最大の理由は7月の参議院選挙だろう。
日本の政治と消費税の歴史を見ればわかることだ。消費税を争点に選挙で政権にプラスになったことはない。直近でいえば、消費税は2014年4月に5%から8%に引き上げ、2015年10月に10%にする予定だった。この予定を延期して2017年4月としていたのである。政治判断というのはそういうものだ。
安倍首相がアベノミクスをはじめてから4年目。最近は「アベノミクスは失敗」という批判が多い。これも消費増税の再延期を判断するうえで考慮したことだろう。
アベノミクスが失敗かどうかは、消費増税再延期の後に明確になるだろう。安倍首相のアナウンスメント効果と金融政策だけで動き出したのがアベノミクスだった。その後の失速の要因は、「実体経済への反映させる戦略」「2014年4月消費増税8%の実施」「経済政策をやりきらず政権が安保法制・憲法改正と浮気した」ことが大きい。
アベノミクスは、もともと副作用を内包する大胆な政策だった。2014年頃までは、安倍首相と黒田日銀総裁のアナウンスメント効果(市場との対話)があった。企業も賃上げに賛同することで動き出した。個人消費にも微増とはいえ改善もあった。大半のマスメディアも煽っていた側面もあったのである。しかし、アナウンスメント効果後、むしろ、それだけだったことに問題があるのだ。
日本の民意は将来の不安を強く抱えている。年金への不安は国民年金未加入者を増加させ生活保護者を増加させている。もちろん資本主義社会の負の側面である格差拡大の不安もある。そして人口減社会にある日本にあって、消費増税の再延期はさらなる不安を増長する可能性がある。もともと消費増税で税率が引き上げられても、試算どおりに税収が増える保証はないのである。
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