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まっすぐ帰ればいいものを無意識のうちに逆方向の地下鉄に乗車していた。気づけば女性の財布が座席シートにおいてある。誰も見て見ないふりを決め込んでるようだった。

しばらくすると、ある女性から「あなたの財布?」と尋ねられて「いいえ私のではありません」と伝える。行きがかり上なぜだか私に届けてください、的な雰囲気がテレパシーのようにやってきた。思わず「責任を持って届けます」と言ってしまった。女性は、よしよしという表情だった。

駅員さんに届け出て、財布のあった座席の車両を伝える。時間もお互いの腕時計で確認して、次は中身の確認を一緒にとなった。日本円のほかに、隣国のお札と硬貨があった。財布のデザインから予想できることだった。VISAカードと顔写真入りの証明書があった。これで身元判明ですなと駅員さんと一緒に安堵する。

拾う神として、お届けしただけで駅員さんに後はよろしくお願いしますと告げて改札口を出る。ほろ酔いだったと思うが、しっかりと歩いて駅を後にした。少しだけ、いい気分だったと思う。よく物を遺失している自分であるが拾う神になれたのですからね。



おやすみなチャイナ~!