本書は2009年に『コア・コンピタンス経営』の著者であるC・K・プラハラード最新刊として出版された。当時、大いに期待して購入したが、がっかりしたものである。その理由は、内容が「ICT(Information and Communication Technology)」「インドの事例紹介」に偏りすぎていたからだ。それでも、諦めずに読めば少なからず気づきは得られるというものだ。そのため中国にも持ってきたのである。
昨今の為替変動により、アウトソーシングによって中国、インド、東南アジアに移管した業務の回帰が話題である。この事象は、当時のコスト削減を目的としたブームの逆転現象である。確かに業務のアウトソーシングには、コスト削減の要素はある。しかし、競争戦略の視点で捉えれば余りに短絡的で視野が狭い思考と言わざるをえない。グローバル時代でスピードが重要視されることを企業戦略の肝に思考するには「臨機応変」「最適人材の動員」という要素を見誤ってはいけないだろう。
今回、再読して一番よかったことは、現在ブームのピケティの「r>g」と似たキーワードを発見したことである。プラハラード教授は「r=g」として、資源(Resource)とグローバル(Global)を説いている。これは経営資源の所有から利用への流れを示唆し、企業の臨機応変さと敏捷性が欠かせないとしている。
あらためて再読してみて、当時の自分が気づけないキーワードを知ることができた。本書に「雇用の輸出」ではなく、「競争力の輸入」という言葉ある。原著がないので自信ががないが「雇用の輸入」の誤訳ではないだろうか。それはさておき、再読により広角に思考することができ明日から役立ちそうな気がする。そういう意味では、イノベーションのある本である。
おやすみなチャイナ~!
