清冽 詩人茨木のり子の肖像
毎度のことであるが、体調を整えるためノンアルコールで早目の就寝。すると、いつものように4時間程で目が覚める。中高年のおじさん特有というか、悪習慣というべきだろうか。
そんな時は、本を読めばいいのである。嘆いたところで、仕方あるまい。そのために大人買い、いや親父買いしているのだから。
本書は、詩人茨木のり子さんの79年の生涯を描いた秀作だ。余りにも有名な『倚りかからず』、さらには『自分の感受性くらい』などの作品の誕生に秘められた背景を時代考証とともに綴る。
『倚りかからず』は、「もはや できあいの思想に倚りかかりたくない」で始まる、茨木のり子さんの代表作である。もはやで始まる、「思想・宗教・学問・権威」に続き「ながく生きて心底学んだのはそれぐらい、じぶんの耳目、じぶんの二本足のみで立っていて、なに不都合のことやある」と勇ましい。そして、最後は「倚りかかるとすれば、それは椅子の背もたれだけ」と笑わせてくれる。
シンプルであるが、ストレートで力強く、辛辣にも思える茨木のり子さんの詩。久しぶりに堪能してみたい。
Thank You!
