
写真は雑誌「GOETHE]2012年3月号 「活性化」と「元気」より
プロの作家である「村上龍さんの文章力」とは失礼かもしれませんね。村上龍さんは、わたしの好きな作家であると同時に同じ男性として憧れの人でもあります。雑誌「GOETHE」の巻頭にある村上龍さんの言葉はいつも惹きつけられます。今回もクールにそして持論をわかりやすく説いています。
たとえばこんな感じです。
元気という言葉そのものがかなり曖昧なのに、「日本を元気にする」と言われても、具体的にどうするのか、よくわからない。もっとわからないのは、「わたしは政治主導で日本を元気にします」と言う政治家に対し、「元気にするとは具体的にどういうことを指すのか」と質すメディアがほとんど皆無であることだ。(以下ぐぐっと省略)
ただ、選挙の候補者も、当選した政治家も、「わたしは5パーセントの経済成長を約束します」などとは決して言わない。まして、期限を切るようなことも絶対にない。「わたしはこの半年で失業率を1ポイント下げます」などと数字を挙げると、自らを縛ることになるからだが、それでは約束にならないし、政策の実行と効果を国民が監視し、可否を決めることもできない。
それでは「活性化」「元気」を、どう定義すればいいのだろうか。わたしは個人的に、雇用ではないかと思う。雇用が増大し、人々が仕事を得て、解雇されるという不安がなくなり、毎月決まった日に給与が出て、しかも年々増加していくことだ。国民は活発に消費するようになり、生産が増え、物価が上がり、税収も増えて、好循環が生まれる。果たして政府にそんなことができるのかどうか、怪しい。政府の仕事としては、外交を除くと、基本的に資源の再配分、つまり社会保障や福祉、それに徴税に限られる。雇用を生み出すのは民間企業であり、経済成長の担い手も民間だ。
だが、今、大多数の民間企業は「雇用」を優先していない。業績が急激に悪化している家電メーカーなどは、数千人単位で雇用を減らそうとしているし、業績好調の企業にしても純利を重視し、従業員の給与を上げようとしない。そういった状況で、どうやって地方・地域を活性化し、日本を元気にしようというのか、まったくわからない。「日本を元気にします」という政治家を絶対に信用してはいけない。
ある程度、抜粋したものですが、村上龍さんが静かにそれでいて熱いものがあるように感じる文章だ。わたしたちは毎回の選挙で政治家の放つ曖昧な言葉を鵜呑みしているのも事実ではないだろうか。そして、メディアの取り上げ方にも影響されることもあるのだろう。
雇用が「活性化」「元気」の定義であるという村上龍さんの説は一理あるように思う。雇用ましてや給料が増えることのないインフレなどよいはずなどある訳がないではないか。しかし、村上龍さん的に文章を読む場合、自分でしっかりと考える必要がある。それは、村上龍さんの定義にすら疑問をもつべきだ思う。事実、仕事はあるのに就職しない多数の人がいる。村上龍さんの文章を読むことで、「読むことは考えること」ということを教わったと思っています。
自分の考えがないから、政治家やメディアの言葉を鵜呑みにするのではないか。そして、その結果すら検証もしない。ただ、「政治が悪い」「不況だ」と言ったところで、これもあまりにも無責任ではないか。
わたし自身、偉そうなことを言っているかもしれませんが新聞や雑誌などを読む場合はイメージを持つようにしています。そして、「読むことは考えること」という習慣によって自分自身で言葉を定義できるようになるのだと思います。
これもビジネスでの必要なスキルになるように思います。
お読みいただきありがとうございます。
多謝!