- 想定外シナリオと危機管理―東電会見の失敗と教訓/久保利 英明
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本書はかなりおすすめです。
ミスター企業法務弁護士の著者が、リスクマネジメントとガバナンスの視点から東電の対応について取り上げている。そして、福島第一原発事故を発生させた日本人として、事件の本質と責任の所在を一刻も早く発信する必要があると考え、刊行したもの。
福島第一原発事故が起きる前は、「絶対安全」「万が一にも事故はない」とし続けた。そして事故対応を見るや・・・。こうした現在までのイライラするような状況を、弁護士として丁寧に解説してくれます。
今回の原発事故はマグニチュード9.0の巨大地震と大津波によってもたらされた不慮の災難、人知の及ばぬ天災なのだろうか?
福島第一原発より強い地震とより高い津波に耐えた女川原発を見れば明らかである。福島原発事件は東電が真面目にリスクと向き合い、時代の変化に応じたリスクマネジメントを採用していれば防げたという意味で、人災であり、東電の責任である、と説く。
企業法務弁護士として40年の著者が、リスクマネジメントの歴史を振り返ることで、まともな企業にガバナンスとコンプライアンスの重要性を考え直してほしいと提言している。
なお、本書の印税は全額震災の義捐金として寄付されるとのことだ。
私たち一般国民も、この原発事故・事件の本質をしっかりと学び、今後に活かす何かを考えるべきではないだろうか。私は本書を読み、そう感じました。