この記事の、以下の部分が印象深いです。



 善と思う心と、それにとらわれず悪の行為をなし、両者が心の中でぶつかり合うのである。人間は誰しも善をもってこの世に生まれ出てくる。しかし、成長するに従って善が時に悪に代わり、反省してまた善に、と自分の都合のいいようにぐるぐる代わる。


 実際「欲も得もなく人の為に」尽くすことはなかなか実行できるものではない。しかし、誰でもせめて人のために安穏であるよう祈ることはできる。「何もできない」とパラドックスにとらわれる人は、いまだ善の心をもてる人である。小さくても善の心を持って世の為、人の為、家族の為、ひいては己の為になるように、生を慎み深く考え味わうことが、今の世には大切なことであろう。