1980年12月8日、私にとってヒーローであったジョン・レノンが銃弾に倒れた。当時、私は中学一年だったであろうか、家に帰ると母が教えてくれた。ニュースでは、幸田シャーミン(アナウンサー)さんが訃報を伝えていたと記憶している。久しぶりのアルバム「スターティング・オーバー」を買ったばかりの初冬であった。なぜだか涙があふれそうになったものだ。月日の経つのは早いもので、あれから30年超ということになる。そして、ジョン・レノンの名曲「ハッピー・クリスマス」が街のあちこちで聞こえる時期でもある。



 巷(ちまた)でクリスマスソングが聞こえてくる季節になった。耳になじんだ定番が多いが、あえて1曲、推薦してみたい。ジョン・レノンの「ハッピー・クリスマス」。「戦争は終わった」という副題の通り、平和を願うメッセージが胸をうつ。


 発表は冷戦さなかの1971年。ベトナム戦争が激化し、世界的な核戦争の恐怖も語られたころだ。そのなかでレノンは「愛と平和」を訴え続けた。日本の中学生でも理解できる、わかりやすい歌詞で。同じ年に発表した「イマジン」は、現実離れした夢想という決めつけへの、歌による反論だったかもしれない。


 1980年12月8日。ニューヨークに移り住んでいたレノンは、精神を病んだ男の放った凶弾に斃(たお)れた。まだ40歳の若さだった。およそ5年に及んだ「主夫」暮らしを脱し、音楽活動を再開したばかりでもあった。「ジョンが死んじゃった」。今にも泣き出しそうだった友人の声が、30年たっても耳によみがえる。


 夫人のオノ・ヨーコさんの縁もあり、日本では毎年12月8日にレノンの名を冠したチャリティー公演が行われている。あらためて、日本の平和と豊かさをかみしめる。二大陣営が対立する冷戦は終わったが、その後も世界では憎悪と戦火が絶えない。レノンの歌を耳にする機会さえない人も、今なおたくさんいる。



 今年9月末、さいたま新都心にあったジョン・レノン・ミュージアムが閉館になった。ファンとしては、哀しいかなであった。


 世界の平和を願う、ジョン・レノンの魂は永遠に生き続ける。そしていつの日か、その日が来ると信じて「ハッピー・クリスマス」と語り合いたい。<ジョンの魂>は永遠に閉館しないのだ。変なおじさんは一人そう思うのであった。


晩安!!



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