変なおじさんの、しつこいお話シリーズに、
大 学 出 の 皿 洗 い
というエピソードがあります。全文をご紹介しますね!先日もある人との会話で使いました。若い頃、人事担当者としていろいろと勉強したときに見つけたお話です。
つぎにあげるのは、入社時に私が教えた、若いビジネスマンの経験である。
「こんなことをやっていて、いったい何になるのだろう」。半ば自暴(自棄)気味になった彼は、本気で転職を考え、会社を辞めることを考えた。おのずと皿の洗い方がだらだらしたものになる。そんなとき声がとんでくるのである。
「何をだらだらとやっているんだ。オレたちだってやってきたんだ。せっせと洗えよ」。先輩の声なのである。
そんなある日、イヤイヤ皿を洗っている彼のそばにひとりの先輩がきた。微笑みながら彼の皿の洗い方を見ているのである。しばらくして、「皿洗いはたのしいだろう?」と言う。「なんとか、やっています」。ふてくされる彼に、その先輩は微笑みながら言った。
「キミが皿を洗いはじめてから早いもので1か月になる。1か月にもなるとわかると思うが、1日何枚くらいの皿を洗うのだろう。その皿の枚数がわかると、こんなちっぽけな食堂だから、概算的にでも、この食堂の1日の売り上げがつかめる。キミは大学出の皿洗いなのだから、そのくらいのことはつかんだろうな。どうだい?」。もちろん彼は、そんなことは考えたこともない。たじろぐ彼に先輩は再び微笑んだ。
「ところで、一口に皿といってもいろいろな皿がある。形もさまざまだし、大きさもさまざまだ。ある皿にはある料理が載る。キミは1か月も皿を洗っているのだから、どの皿にはなんの料理が載るか、おそらく全部言えるだろう。どうだい?なにしろキミは大学出の皿洗いなのだからな」。ハッとしたように顔を上げる彼に、先輩は三たび微笑んだ。
「うちの料理で、お客さまにもっとも喜んでいただいている料理はなんだろう。残念ながら召し上がっていただけないで残されてくるものは、どんなものが多いのだろうか。1か月も皿を洗っていればわかるはずだ。なにしろキミは大学出の皿洗いなのだから」
彼は完全にシャッポをぬいだ。その彼の肩を先輩はポンとたたいた。「キミは大学を出ているのだから、将来は幹部になる男だ。それだったら、皿を洗いながらでも、幹部としてぐんぐん成長するような皿の洗い方をやりたまえよ。キミはそんじょそこらの皿洗いとはちがう。なにしろ大学出の皿洗いなのだ」。そう言うと、ニコッと笑って立ち去った。
「それ以後、どんな雑事と思えることでも、その仕事を通してより多くのものを獲得できる取り組み方を自分なりに努力しています」。その後、私に会ったとき、彼はそのように言って、見違えるように明るく微笑んだものである。
資料出所:社員教育ガイドブック/落合富雄(広池学園出版部)
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