2016年7月17日(日)、『八丈太鼓六人会結成35周年記念公演』が八丈町多目的ホール「おじゃれ」にて開催されました。
八丈太鼓六人会は、1981年に太鼓好きの青年たちによって当初6人で結成。
現在のメンバ-は12人で、自分自身が「太鼓を楽しんで打つ。」「太鼓の音を楽しむ。」ということをモットーに島外のイベントや物産展などの出演、国内外を問わず演奏活動をしている八丈島で最も代表的な太鼓団体です。
幕が開け、八丈太鼓六人会第一部の演奏が始まりました。
八丈太鼓 は一つの和太鼓を両面から二人一組で叩きます。
片面では下拍子と呼ばれベースリズムを刻み、もう片面では上拍子と呼ばれ下拍子のリズムに合わせて即興で太鼓を叩きます。
最初に登場した上拍子を叩く女性、このあと公演の数日後に開催された八丈島夏まつりのステージでお披露目された今年のミス八丈島、塚越あやさんと後で知ることになりました。
次々と六人会のメンバーの演奏が披露され、打ち方も皆独特。
ゆうきち、しゃばたきと続き、叩き手によって表現は様々で、六人会メンバーのそれぞれの個性が楽しめる演奏となりました。
尾張新次郎太鼓(愛知県)
続いて「尾張新次郎太鼓」の演奏がはじまりました。
愛知県西部の農村地帯に伝わる神楽太鼓で、その太鼓名は祭り囃子の復活に生涯を捧げた、下之一色(名古屋市中川区)の西川新次郎の名前から来ています。
太鼓と笛による演奏で、二本のバチを笛の音に合わせてくるくると左手の指先で回転させたり、空中で飛ばしたりして打ち分けます。
華麗なバチさばきに演奏が終わると会場から沢山の拍手が贈られました。
うねめ太鼓小若組(福島県)
次は「うねめ太鼓小若組」の演奏です。名前は郷土の伝説うねめ物語に由来、1994年発足し、小若組は小学生から高校までのメンバーで構成しています。
2014年の第16回日本太鼓ジュニアコンクールでは見事優勝を飾った実力派。
今回は高校生4人が素晴らしい演奏を披露しました。
「礼に始まり、礼に終わり、楽しく、元気よく」をモットーに、若さ溢れる大人顔負けのダイナミックな演奏で観客を魅了しました。
蘭導(秋田県)
創作太鼓団体、「蘭導」は昭和60年大曲太鼓道場の名で結成し、創作曲は200曲を越えます。演奏活動では北海道から九州、沖縄まで、演劇、学校、各種イベントなどで広く公演しており、海外公演実績も多く、特にアメリカにおいてはロングランコンサートを成功させてきました。
流派や伝統にこだわらない演奏は和太鼓のイメージを一新させて来た「蘭導」の太鼓。一貫して感じられるのはとてもエネルギッシュだということ。
和太鼓なのに新鮮な音やリズムが今までイメージしてきた太鼓と違い、全く新しい音楽を聞いているかのようでした。
本日出演予定だったゲストはもう一組、東京「助六太鼓」が出演予定でしたが、当日の飛行機が欠航したために中止になってしまいました。とても残念です。
公演には間に合いませんでしたが、翌日行われた太鼓のワークショップに来島し、演奏を披露されたそうです。
そしていよいよ最後の演奏、八丈太鼓六人会第二部のはじまりです。
力強いバチさばき、独特のリズムを刻んでいきます。
「太鼓叩いて 人様よせて わしも逢いたい 方があるよ」
「三根倉の坂 坂真ん中で 出船ながめて 袖しぼるよ」
東京都無形民俗文化財に指定されている「太鼓節」も披露され、歌と太鼓が合いなり、観る人の心に染みていきます。
全ての演奏が終了し、会場は割れんばかりの沢山の拍手で包まれました。
今回来場されたお客様の年齢層は幅広く、島民にとっての八丈太鼓の位置づけがしっかりと感じ取れる公演となりました。
来島いただいた3組のゲストは全て八丈公演の経験があり、一同に揃って素晴らしい演奏を披露していただいたことは、八丈太鼓と合わせて改めて日本の太鼓の奥深さを物語る貴重な公演でもあったと思います。
和太鼓の原点と言われる八丈太鼓。
八丈太鼓は、そのシンプルさと自由奔放にアドリブで打ち鳴らす形は日本の太鼓の中でも独特な演奏で知られます。
八丈に古くから伝わる形を伝承すると同時に、新しいものを絶えず探し求めてゆくという姿勢を貫く「八丈太鼓六人会」。
メンバーの今後の活躍はこれからも八丈島の伝統を全国に、世界へと発信していくことでしょう。