この車両、メーターが別のグレードの物に交換されている様ですので実際の走行距離は不明です。

 

以前に整備された形跡は有るのですが、それからの年数や走行距離が分からないので、この際怪しい部分は手を入れておく事になりました。

 

 

’80年代から’90年代にかけて主流になっていた「タイミングベルト」ですが、その後はコンパクトで静かなチェーンの登場によって採用する車両が減っていて、「タイベル交換」という作業は懐かしい感じになってきました。

 

とはいえ、ウォーターポンプやオイルシールにも寿命がありますので、末永く乗るつもりの車なら「タイベル替えるなら一緒に」という流れも悪くないと思います。

 

そんな訳で、色々と部品を揃えています。

特にスーパーチャージャーのベルトは滑りやすいので、どうしても張り具合を強くするためにテンショナーの寿命も短くなってしまいます。

 

 

 

フロントバンパーと右側のヘッドライトを外すと、そこそこ作業はしやすくなります。

エアクリーナーのボックスにスロットルボディが付いてるので丸ごと取り外し、その下に有るエンジンマウントを外すとこんな感じです。

 

 

クランクプーリーは比較的簡単に外れますし、タイベルの交換までなら簡単な作業なのですが、問題はこのウォーターポンプです。

 

ポンプを取り付けているボルトは簡単に外せるのですが、裏側にバイパスの配管が繋がっていて、エアコンのコンプレッサーやオルタネーターのブラケットとエンジンブロックの隙間を通っている為にジョイント部分のホースを抜くのに一苦労です。

強引に引っこ抜いたとしても、取り付けるのは至難の業という事になります・・・

 

上の画像は取り外した後ですが、今回は事情によりパイプごと外しました。

というのも、どうやら以前の作業で無理やり取り付けられた感じになっていてジョイント部のホースも傷んでいたので交換する必要がありました。

 

このパイプを脱着するのも、かなりの知恵の輪状態で一苦労します。

度々手を入れる場所ではありませんが、もしかしたらパイプを撤去して長いホースで繋いでしまったほうが色々と都合がいいかもしれないですねー

 

 

 

今回はなんとか知恵の輪を通して元通りに復旧する事にしました。

まずパイプを固定する前にウォーターポンプ側に余分に突き出す状態にしておいて、ポンプ裏にホースを接続します。

 

ちなみにウォーターポンプ本体をエンジンに取り付けてからホースを繋ぐとすれば、エンジンの後ろ側に有るエアコンのコンプレッサー、オルタネーター、場合によってはパワステポンプも取り外して作業する事になりそうです。

 

 

ウォーターポンプの作業が完了してからクランクシャフトとカムシャフトのオイルシールを交換しています。

 

順番はどちらが先でもいいのですが、並行して分解すると垂れてきたLLCがクランクシャフトのところに入ってしまったり、カムシールから垂れたエンジンオイルが冷却水の通路に入ったりしますので要注意です。

 

 

クランクシール

 

カムシール

 

 

特に予定は無かったのですが、ネジの付いたロッカーアームを見てしまうとタペット調整くらいはしておきたくなりますね・・・

 

 

酷い状態ではなかったですが、せっかくですからタペットカバーの中も掃除しておきました。

 

 

もちろんテンショナープーリーも新品です。

 

 

スーパーチャージャーのオイルも交換しておきます。

 

オイルを綺麗に入れ替えるには少しコツが必要ですが、プレオとは違ってコンプレッサーの上側に給油口が付いていますのでコンプレッサーを取り外さなくてもオイルを入れる事ができます。

 

 

 

実はブローバイのホース(ベンチレーションホース)からのオイルでエアクリーナーのエレメントやボックスの中がドロドロになっていたので綺麗に掃除しましたが、またすぐに汚れてしまいそうなのでホースはエアクリボックスへ繋がずに別のところへ取り回しました。

 

 

作業中の画像を撮っていませんが、実はこのエアクリボックスのゴムマウント部が破損していてグラグラになってました。

前途の様にスロットルボディがこのケースに取り付けてあってアクセルワイヤーがエンジンとの僅かな隙間を通してあり、それがパワステポンプのプーリーに擦れた様な形跡が見られました。

 

「時々異音がする」と伺っていましたので、もしかしたらここが干渉した音だったのかもしれません。

マウントの部品は入手できそうにないので、なんとか有り合わせの材料で対策しておきました。

 

 

色々と問題が発覚した車両でしたが、これでなんとか安心して乗れる状態になったと思います。