しばらく前の話ですが、何年も動かしていないという車両を譲り受けるという方から、ご相談がありました。

 

その車両の保管場所がうちから割と近い所で、諸々の都合で片付けないといけなくなった様です。

 

状態を見てみないと何とも言えない話ですので、大きな作業が必要なら直ぐには手を付けられる状況ではないと説明させていただき、とりあえず引き取りました。

 

意外にもブレーキの酷い固着は無く、なんとか人力で保管場所から移動する事が出来ました。

 

ウインチで積載して持ち帰り、トラックの荷台の上である程度の点検をしてみます。

 

 

 

まず確認するのは燃料タンク内の状態です。

 

こちらも予想に反して酷いサビは見当たらず、タンク自体はリペアの必要は無さそうです。

 

 

 

燃料ポンプはやはり作動しませんでしたが、カプラーに直接ちょっと高めの電圧を掛けるショック療法(本当は危険です!)で息を吹き返しました。

そうは言っても良い状態ではありませんので、ゆくゆくは交換したほうがいいと思います。

 

他にもインジェクターやエアフロなど、長期間作動していなくて軽く固着しているパーツがありました。

こちらの関西地方では「しばく」と言いますけど、破壊しない程度に程よく衝撃を与えるという高度な技術でなんとか復活しております。

 

 

そんなこんなで、とりあえずエンジンは始動しました。

 

 

 

電装系ではリトラが左右交互にパクパクとウインクを繰り替えず現象が起こっております。

 

他にはワイパーが定位置で止まらないとか、ヒーターが暖かいほうから動かないとか、最低限の走行には支障の無いレベルの問題は抱えております。

 

 

こちら、早めに気付いて良かったのですが、ラジェーターの電動ファンの片側が、枠の部分に曲がりが有ってファンが回らない状態でした。

モーター自体は生きているので設定温度に達するとヒューズを飛ばすところでした。

 

ここは地面に摺る様な場所ではないのですが、以前にも何度かこういう状況を見ていますので、おそらく何かの作業でジャッキを掛ける場所を間違ったとか、そういう感じではないでしょうか。

 

 

大丈夫なほうのファンもサビが酷いので、2個ともちょっと良さそうな中古品に交換しました。

 

 

 

もう1点だけ、始動はするもののスターターの回りが良くなかったので、寒冷地仕様のリダクションスターター(中古品)に交換しました。

 

 

他にも気になる点はありますが、後は通常の整備の範囲で車検を受ける事が出来そうなので、うちでの作業はここまでとなりました。

 

コツコツ仕上げて元気に走ってくれるのが楽しみですね。