ランチャ・ストラトスのレプリカです。

 

日本国内で製作(組み立て?)されて販売された車両らしいです。

わりと前から預かって作業をしていたのですが、私自身はこの車に詳しくないので、いい加減な事を言うのもどうかと思い、これまでここでは紹介しておりませんでした。

 

 

本物を直接見た事が無いので何とも言えませんが、良く出来ているんだと思います。

 

 

 

エンジンはSW20用の3SGターボです。

当初はエンジンを組む作業だけ頼まれていたのですが、話の流れで車両を預かって他にも色々と作業する事になり、けっこう長い間掛かってしまいました。

 

こちらの画像はエンジンの載せ替えが終わった状態です。

 

 

 

話が前後しますが、こちらはエンジンを降ろす前です。

 

元々製作された時に組み立てた手順は分かりませんが、エンジン後方の上部にある角パイプ状のフレームが邪魔で、エンジンとミッションが一体のまま出てきそうにないです。

サージタンクを外して傾ければ出せそうだと思ったのですが、結局はエンジンマウントが付いた状態でサージタンクを外す事も無理でした。

 

先にマウントを外して宙吊りの状態にしてから邪魔な部品を外す方法もありますが、オーナーと相談した結果、今後のメンテも考えてフレームを一旦切断した後に強度も考えたジョイントを製作して、この部分を脱着可能な状態にする事になりました。

 

 

 

タイヤハウスの前側に左右それぞれ燃料タンクが付いていますが、それを取り外せば作業スペースが広くなります。

 

逆に言うと、ちょっとした整備でもタンクを取り外す必要があるかもしれません・・・

 

 

 

フレームをカットしてエンジン・ミッションを取り出しているところです。

 

この状態でも途中で角度を変えながらでないと出てきませんでした。

 

 

リアのハブやブレーキはSW20用の部品が使用されていますが、アップライトやサスペンションアーム類はこの車両用に製作された物の様です。

 

これが何とも理解しにくい設計で色々と問題があるのですが、今回はできる範囲での改善と今後の計画を考えるところまでになりました。

 

 

 

エンジンですが、入手した中古エンジンの程度が良かったので基本的なオーバーホールの作業を行っています。

 

ヘッドは最小限の歪み取りの面研、バルブシートとバルブフェースの修正を外注に出しました。

 

 

部品には困らないと思っていましたが、なんとピストンとピストンリングがスタンダードもオーバーサイズも廃盤になっていました。

幸いシリンダーもピストンも状態が良かったので、ピストンは元の物を再使用、ピストンリングは社外品を入手して交換しました。

 

 

作業中の画像を撮っていないですが、エンジン本体については特に問題もなく、基本的な組み方になっております。

 

 

 

この車、車重が900キロほどですし、ホイールベースがむちゃくちゃ短いので、なかなか危険な車です。

 

 

足回りをもっと改善しないと乗れたもんじゃないんですけど、今回のうちの作業はここまでです。