少し前に今後のメンテナンスなどを相談に来られたのですが、急にオイル漏れが酷くなったという事で急遽お預かりする事になりました。

 

オイル漏れについては、先日紹介したリビルトデスビの話が、この車両の作業でした。

 

他にも気になる点が幾つかありましたが、色々と作業予定が詰まっていますので、今回は緊急性の高い部分とついでに出来る事だけやっておく事にします。

 

 

 

AWでは定番の、パワーウインドウのギア欠けです。

 

まず最初はウインドウを上げ下げする時に「コッ、コッ、」と、軽い音が出始めますが、それくらいならギアの歯が1コマ欠けたくらいだと思います。

そのまま使用していると、そのうち「カクン、カクン、」と、引っ掛かる様な動きになってきますが、この車両がその状態だったはずで、ギアの歯が2コマ欠けてます。

 

ここまでの状態ですと、レギュレーター本体側のギア(大きいほうのギア)まではダメージを受けていない事が多いので、モーター側のギアを交換するだけで修復可能だったりします。

 

ここで修理せずに使い続けていると、「ガコン、ガコン、」と途中で引っ掛かる様な症状が出始めて、更には嚙み込んで動かなくなったり、完全に空回りする状態になった時には本体側のギアも破損してると思って良いでしょう。

 

そんな訳で、音が出始めたらなるべくウインドウを開け閉めせず、早めに修理する事をお勧めします。

 

 

 

当方で製作している補修用のギアを販売するだけの機会が多いのですが、今回の様に他の修理で預かったついでに交換作業を頼まれる事もあります。

 

そんな時は折角ですからモーターも分解してブラシの掃除をしたり、軸受けや中のギア部分に給油をしておきます。

 

 

 

レギュレーターのスライド部分やワイヤーの動く部分なども、固くなった古いグリスをなるべく除去してから新しくグリスやオイルを塗り、軽く動く状態にしておくとギアに余計な負荷を掛けずに済みますので、少しでも寿命が延びると思います。

 

 

 

ウインドウレギュレーターを組み付ける時にウインドウの建て付けがずれていれば調整しますが、この車両はドアヒンジのガタが出ていたので、まずドアの建て付けを調整する必要がありました。

 

フロントフェンダー内のカバーを外すのが、けっこう手間が掛かりますが、カバーの中に落ち葉や土が溜まってボディに腐りが出ていないかなど、確認もできるので、いい機会だと思います。

 

 

調整完了。

 

Tバールーフの継ぎ目あたりから雨漏りがあるそうですが、もしかしたらウインドウの調整で少しは改善されるかもしれません。

 

 

 

すっかり涼しい季節になっていますが、他の作業をしてる間に全く効かないというエアコンの状態を点検しました。

 

例によって窒素パージをして圧力テストをしてみますが、意外にも漏れは無さそうでしたのでコンプレッサーの作動も確認してみます。

エアコンガスを充填しないとコンプレッサーは作動しませんが、窒素で圧を掛けた状態でも作動確認をする事は可能です。

コンプレッサーオイルの循環の問題がありますので、作動確認は一瞬だけしか出来ませんが、こちらも大きな問題は無さそうでした。

 

当初は状態の確認だけ行う予定でしたが、オイルの補充とガスの充填もやってみて、しばらく様子を見てもらう事にしました。

 

 

 

今のところ正常に作動しています。

 

僅かな漏れがある場合は長期的に見ないと分かりませんから、これから寒い時期ですけど時々作動をさせてもらって、暑いシーズンに入る頃に再度点検する事にしましょう。

 

 

今後、整備が必要になりそうな部分をお伝えして、今回の作業はここまでになりました。