ガレージ内のレンタルスペースを使っていただいているM井さんちのフロンテです。

ここはサブロクなら2台並べて置けるスペースなのですが、こうして真ん中に置けば余裕で両ドアを全開にできますので、ほとんどの整備をここで行う事が可能です。

 

 

 

ここで少し、現在のオーナーがこの車を購入された当初の事を振り返ってみましょう。

 

 

この型式では前後ともドラムブレーキで合わせホイールの設定しか無く、ブレーキのマスターシリンダーはタンデムではなく、前後とも1系統の配管で分配されるシングルのマスターシリンダーが使われています。

 

ドラムブレーキ関係の部品が入手困難だった事や、ホイールの選択肢も増える事から、一世代後の年代になるLC10W・フロンテクーペ用の部品を使って4穴ハブ化とフロントのディスクブレーキ化を行いました。

 

しかし、マスターシリンダーのほうは取り付け位置や配管の問題があり、ペダルまわりやボディの大袈裟な改造までは避けたいとの考えから、シングルのマスターで大きさ的にも収まりそうな物、そして今後の部品調達にも当分は困らないのではないかという事で、ヨタハチやKE10カローラに使用されているマスターシリンダーをフロンテに合う様に加工して使っております。

 

 

 

2013年の当時はまだASSYで新品が入手できたのですが、その後間もなくASSYもインナーキットも廃盤になってしまったのは誤算でした・・・

 

それと当初から分かってはいたのですが、元々が前後ともドラムブレーキの車両用でホイール側に残圧を残す設定になっているので、キャリパーとの相性が良くないみたいです。

 

具体的に言いますと、キャリパーをオーバーホールしてからしばらくは大丈夫なのですが、だんだんピストンの戻りが悪くなって引き摺りを起こす様になってきます。

 

これまで何度かキャリパーを分解して対処してきましたが、今回は問題と思われるマスター側に手を加えて改善を図ってみる事にしました。

 

 

 

 

当初は予定していませんでしたが、キャリパー側も引き摺った状態で使っていた事もあって、同時にリフレッシュをしております。

外観も少しサビが出掛けていましたので、再度ブラストを掛けてから塗装をやり直しました。

 

 

 

 

問題のマスターシリンダーの取り付け場所です。

 

ペダルの真上で、ハンドルポストの裏側にあります。

この様な構造ですので、形状や大きさの大きく違う物を流用するのが困難なのです。

どうしてもタンデム化が必要になった場合には、軽トラック用などで合いそうな物を探すのがいいかもしれません。

 

 

 

以前のパツンパツンなタッチから、少しストロークのある本来のフィーリングになった感じです。

 

しばらく乗っていただいて、このままの状態が維持できれば今回の作戦は成功という事になりますね。