以前から非常に気になっていたのですが、廃盤になった古い車のパーツなどを3Dプリンターで製作できたら、けっこう色々な問題が解決できそうです。

 

画像は廃盤という訳ではないのですが、単品では入手できないAW11・MR2のパワーウインドウのレギュレーターに付いているギアです。

 

 

 

先日、まだ新品が入手できますと紹介したばかりですが、廃盤が近いとの情報もありますし、そもそもワイヤーが切れたりスライド部分などに不具合が出ている事は少なく、樹脂製のギアが破損するケースが圧倒的に多いですから、ギアだけ交換できればと考える方も多いはずです。

 

 

 

モーター側に付いているギアはモーターと一緒に外れますが、レギュレーター側はケース部分がカシメになっていますので、通常は非分解という扱いです。

 

 

そのカシメの部分をドリルなどを使って削り取ると、この様に分解する事ができます。

上手く位置決めの突起部分だけ残しておけば、組み立てはボルトとナットで留めれば問題無さそうです。

 

 

 

左が取り外した物で右が今回3Dプリンターで製作した物です。

 

純正の方も新品のレギュレーターに付いている物は真っ白ですので、古くなって変色しているのだと思います。

 

全く同じ形状にコピーするのではなく、材料を節約するよりも強度を重視していますので、純正の方にある空洞部分は埋めた状態になっています。

 

 

 

反対側も同じ形状ではなく、図面の書き易さと強度を優先した設計にしています。

 

 

 

こちらはモーター側に付くギアです。

 

これもレギュレーターASSYに付属するパーツですが単品では入手できません。

海外製の社外品がある事も確認していますが、どうも作りが良くないみたいですので、せっかくですから独自に工夫して製作してみました。

 

画像の左が純正品で右が今回3Dプリンターで製作した物です。

どちらかと言うと、こちらのモーター側のギアが先に破損するケースが多いので、対策としてスペースに余裕がある側にツバ状の補強を入れているところが特徴です。

 

 

反対側です。

 

モーターの軸に嵌る部分は純正品と同じ様に突き当たりで位置が決まる様にしています。

ここもアフターパーツでは貫通している物が多いと思います。

 

 

 

最初に試作した物ですのでツバが付いていないタイプですが、油圧プレスで押して強度のテストをしてみました。

 

かなりの力を掛けていますが、破損はせずに粘りがある事が確認できました。

 

実車へ取り付けてのテストも行いました。

オートで自動停止させながら、上下に往復1000回作動させて問題が無い事を確認しております。

 

 

ちなみに細かい事は説明できませんが、うちはアイデアを出しただけで製作は専門の業者へ依頼しています。

 

一般的に購入できる様な機器では、ここまでの物は作れないと思いますので、今後も必要な部品があれば製作を依頼してみようと思っております。