ダイエット中に食事にも注意しているのに、そもそもなぜ太るのか?
摂取カロリーが消費カロリーを上回ると、消費されなかったカロリーが脂肪として蓄積するため太ってしまう、ということは一般的によく知られている話です。
しかし、「ダイエットをしても痩せられない」という話もよく聞きませんか?
食事の量を減らしても、運動を頑張ってもどうして痩せないのか・・。
その理由があれば是非知りたいと思っている方は多いはず。
実は、人が太ってしまうのは、必ずしもカロリーだけが問題ではないからです。
それでは、どうして人は太ってしまうのでしょうか。
①基礎代謝が低い
基礎代謝とは、生命を維持するために使われるエネルギーのことを指し、黙って座っているだけでも寝ている時にもエネルギーは消費されています。
基礎代謝は1日に消費されるエネルギーの約70%を占めていることから、基礎代謝が高い人ほど痩せやすいと言えますが、一方で体温が低い人や便秘・冷え症の人、汗をあまりかかない人などは基礎代謝が低いため、太りやすいと言われています。
また、基礎代謝は年齢によって異なり、10代で代謝量のピークを迎えた後下がり始め、30代を境にぐっと落ちるとも言われています。
②ファストフードやインスタント食品の摂り過ぎ
気軽に食べられるファストフードやインスタント食品には、脂質や糖質が多く含まれています。
勿論、これらが太る原因の一つであることは間違いないのですが、ファストフードやインスタント食品には、ビタミンやミネラルの含有量が少ないため、脂肪の燃焼が促進されないことも大きな原因と考えられています。
③筋力不足
筋肉の量が少ないと、摂取した脂肪が燃焼されなくなるため太ってしまいます。
また、足のふくらはぎの筋肉が少ないと、心臓から送られた血液を心臓に押し返す力が弱まってしまうため、血液に老廃物が溜まりやすくなってしまい、むくみやセルライトの原因となってしまいます。
④ストレス
私達の体は、ストレスを感じると「コルチゾール」というホルモンを分泌するようにできています。
コルチゾールは、食欲を抑えるホルモンである「レプチン」の分泌を阻害するため、いくら食べても満腹感が得られなくなってしまいます。
また、強いストレスを感じた場合、それを身体の危機と認識した脳の働きによって、生命の維持のために脂肪の分解を抑制するように働きかけることがあり、食べた分だけ脂肪を蓄積しやすくなるとも言われています。
⑤女性ホルモンの乱れ
女性ホルモンには、エストロゲンとプロゲステロンの2種類がありますが、このうち丸みを帯びた女性らしい体つきを作るエストロゲンの分泌量が減少すると、Aldh1a1(アセトアルデヒド脱水素酵素1)が活性化され、内蔵脂肪が増えやすくなることがわかっています。
さらに、女性ホルモンに乱れが生じると、自律神経の働きにも影響を与え、特に交感神経の優位性が失われると脂肪の分解が鈍るため太りやすくなると言われています。
⑥血糖値の上昇
最近の研究で、人が太る原因に血糖値の上昇が深く関わっていることがわかっています。
食事をすると血液中に糖が流れ、血糖値が上がります。
この時、その糖を分解して血糖値を正常に戻すため、膵臓からインスリンというホルモンが分泌されるのですが、インスリンには脂肪を溜めこむ性質もあるため、大量に分泌されると太りやすくなってしまうのです。
このように、「摂取カロリーが消費カロリーを上回る」ことだけが、太る原因ではないのです。
食事制限をしても、こまめに運動をしても痩せられない方というのはその他に原因があるはずですから、カロリーだけにこだわらず、様々な点から太ってしまう原因を探ることが大切です。