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人生竪堀

TEAMナワバリングの不活発日誌

 

☆ お知らせ ☆

 

① 発売中の『歴史群像』6月号に「最強の城を考える」シリーズの第2回「近世城郭における最強の条件」を掲載。世間一般の名城企画では上位にランキングされる「あの城」「この城」が、西股の最強番付ではなぜか低評価に。今回は低評価に甘んじた理由を説明することで、「最強」の条件を逆照射するという考察。これまでも松本城や犬山城・丸岡城に容赦なくダメ出ししてきた西股ですが、今回は安土城・伊賀上野城・上田城も槍玉に。前回ザックリと提示した「最強」の意味を、より深く掘り下げます。

https://www.amazon.co.jp/dp/B0B5GFY4JV/

 

② 久しぶりにTAEMナワバリングのイベントやります! 6月10日(土)「今さら鎌倉殿を歩く・石橋山古戦場」。西股といっしょに石橋山の古戦場を歩くと、頼朝がどのアングルで戦場を眺めたか、大庭勢や三浦勢の動きはどう見えたか、北条時政と大庭景親はどのくらいの距離で罵りあったか、畠山重忠はどう動いたか、とかわかるよ。『鎌倉殿』が忘れられない人は、現地を歩きながら「どうする頼朝!」を体感してみよう。

詳細は近日中にお知らせしますが、お昼くらいに早川駅集合、参加費3000円くらい(おまけ付き)、希望者は小田原で懇親会、の予定。

 

③ 6月17日にiトラベルスクエア企画で西股が松本城をご案内します。今回はビギナー向きに天守の基本的な見方や、松本城の特色などをわかりやすく解説。もちろん、皆さんが意外に気付いていない武田風枡形や丸馬出についても説明しますよ。

詳しくは⇒

http://i-travel-square.tokyo/

 

 

 久しぶりに仕事の近況報告を少々。

『鎌倉殿』の仕事が終わってホッと息をついたのも、つかの間。今度は、映画の「戦国軍事考証」に携わっている。このコラムが掲載されるのと同日に、正式な制作発表があるはずなので、伏せ字を交えて書いてしまうけれど、『シンG』『シンU』『シンK』を手がけてきた、あのプロデューサーと監督のコンビによる、『シン大M神』である。

 ことの発端は、このコンビの片方が、戦国モノのゲームを制作するさいの参考として、拙著『戦国の軍隊』を読んだことだ。なるほど、と思った彼がスタッフに連絡し、某編集部を通じて僕にコンタクトをとってきた、というわけである。

 そうしてある日、都内某所に呼び出された僕は、例のコンビにお会いすることになったのだが、そのとき、最初に(いきなり)聞かれたのが、

「戦国時代の国衆って、どのくらいの兵力を動員できたのでしょう?」

ご両人は、面食らっている僕に矢継ぎ早に言葉を浴びせてきた。

「やはり戦闘シーンで鉄炮を出したいので、永禄年間くらいに設定したのですよ」

「舞台は山国がよいので、中部地方の架空の国衆という設定で」

「そのあたりの国衆に、鉄炮はどのくらい普及していたもんでしょう?」

 ひとしきり話を聞いているうちに、なるほど、ご両人の意図がわかってきた。僕に求められているのは、単に武器や戦闘シーンの考証だけではないようだ。

 このお話しは、領主の苛斂誅求によって領民が苦しめられることが前提になる。ただ、領主が横暴で強欲なだけでは、ストーリーや人物造形にリアリティが生まれない。領主が苛斂誅求に走らざるをえないような、ストーリー設定の部分でのアイディアがほしいのである。

 ならば、知恵の出しようはある。永禄年間、中部地方の山間部で、国衆が苛斂誅求に走るリアルっぽい状況を考えればよいのだ。僕がザックリと出したアイディアを「ふんふん」「なるほど」と聞いていた両人は、こんなことも言ってきた。

「クライマックスは、やはり城のシーンを撮りたいので、そこはオープンセットを造りたいのですが、ただ予算が限られているので、あまり豪勢なセットは造れない。どうしたら、よいものだろう?」

 それなら、やりようはいくらもある。戦国時代の国衆の城なんて、そもそも技術もマテリアルも現地で調達できる範囲で造るものだ。それに、永禄年間、中部地方の山間部で苛斂誅求の原因になるような築城がされるのである。あり合わせ感アリアリの方が、かえってリアルなセットができそうだ。

 先方のスタッフさんたちも、香川さんのイラスト集などを見ていろいろ考えているようだが、要はイラストだけでは伝わらないような「リアルっぽさ」のアイディアを出せばよいのである。

 …というわけで、今回はストーリーやイメージボードを練るところから参画させていただき、ロケハンにも同行させていただいている。ま、現時点ではここまでしか書けないけれど、お伝えできることは追々お伝えして行こうと思うので、皆さん、お楽しみに!

(以上、4月1日の近況報告でした)

 

☆ お知らせ ☆

 

① 3月24日のJBpressに「東京23区に古城を訪ねる」シリーズ第3回として、「奥沢城」をアップしました。以前、奥沢城に行ったけどよくわからんかった、という人。この記事をスマホで読みながら、もう一度歩いてみて下さい。もちろん、行ったことないという人もぜひ。東京23区で、これだけの土塁が見られるなんて、うれしいじゃないですか。そして、堀の存在にも気付いて下さいね!

 

 

② JBpressに「毛利輝元が戦略重視で築いた広島城が名城の理由」掲載中(3月17日アップ)。少し前に、久々に広島城へ行って、あらためて鉄壁の守りに感心しましたね。広島城の天守って、北西隅に1箇所だけ石落としが付いてるのね。どうしてココだけ石落としを付けたか、わかるかな?

 

 

③ JBpressに「地政学から考えるJリーグの戦略論」掲載中(3月10日・11日アップ)。これまでサッカーを論じる人って、戦術とかフォーメーションとか、記述とか選手の特徴とか、そんな話ばっかしてきたのね。でも、日本が本気でワールドカップ穫りに行くなら、そろそろ戦略を論じるべきだと思うわけ。実際、Jリーグは始まってから30年たって、戦略がなければ勝てない時代になっているわけだ。そんな事を考えながら、記事を書いてます。

 

 

 

④ 発売中の『歴史群像』4月号で新連載「最強の城を考える」をスタートしました。日本最強の城はどこか? 最強の城とはどんな城か? 城好きなら一度は論じてみたいこのテーマ。第1回は「近世城郭の最強番付」。西股が独断と偏見で編成した番付を、編集部が上手にデザインしてくれました。『歴史群像』の記事としては柔らかめなので、普段この雑誌を読まない人でも楽しめると思うよ!