そう言えば、年末年始のテレビ放送で、

中学受験界で噂の的になったのは、ジャガー横田さんの息子さん、木下「大維志」君でしたね。

 

何気なくつけた日本テレビの「スッキリ」の番組内で、「大維志」君の中学受験追っかけ特番をやっていました。

 

「大維志」君の志望校が、その時は「広尾学園中学(医進サイエンス)」で、その偏差値を「71」と紹介していました。

 

10月(だったと思うけれど)の「大維志」君の模擬試験での成績が「40」と放送されていましたので、その差「30」を詰める受験勉強のありのままの姿を密着取材する、というのが番組の趣旨だったようです。

 

これを観て、すぐ僕は、塾の保護者会で注意点をお話ししたのですが、まずこの偏差値という”指標”がクセモノでして、、、。

 

 

この番組では、あの「家庭教師のトライ」さんが全面バックアップしているようで、どうやら 10月に「大維志」君が受けた模擬試験は「首都圏模試」というものでした。

 

つまり、この「71」と「40」という数字は、「首都圏模試の偏差値では」ということになります。

 

ところで、茶理庵が進学資料として主に用いているのは「四谷大塚さん」の偏差値表(80合格難易度表)」です。

 

こっちだと、広尾学園の医進コースはいくつで出ているでしょうか?

 

「64」です。

 

「7」の違いがあります。

偏差値で「7」の違いは、結構な差です。

 

もう一つ、日能研さんの偏差値表(R4)も見ておきますと、

「63」と記載されています。

 

ここが大事なところで、

受験の話になると、必ず、志望校なり、模擬試験での成績なり、で、「偏差値」という言葉が出てくるものです。

 

それは、たとえば50であったり、65であったりするわけですが、肝心なことはそれは「どこの偏差値なのか?」という点です。

 

説明したとおり、首都圏模試での話なのか、四谷大塚の「合不合判定テスト」の話なのか、で、中身も何もかも大きく違ってくるからです。

 

茶理庵では、進学資料としては四谷大塚さんのを主に使用していますが、志望校によっては「日能研さんのR4」と使い分けています。

 

一般的に、首都圏模試の偏差値と、四谷大塚の「合不合判定テスト」に見る「80合格難易度表」とでは、先ほどの例も示しているとおり、5〜10の開きがあります。

 

四谷大塚さんのほうが低く出ます。

 

同じ学校、同じ生徒の同じ成績、で「5〜10」数値が違うわけですから、偏差値を語る際には「偏差値の出処」は最も注意を払わなければならない点と言えます。

 

それから、「偏差値」についてはもう一つ、重要な注意が必要な点があります。

 

◇「見せかけの偏差値(バブル偏差値)」に注意!◇

 

「複数回入試」があたりまえになったことによって散見されるようになった弊害です。

 

4回入試が行われるA中学校と、

1回しか入試が行われないB中学校があるとします。

 

共通している入試日は2月1日で、この日の偏差値では、

A中学校に比べて、B中学校が上位に位置していた、とします。

 

2日以降、毎日、午前または午後と時間帯も変えて行われるA中学校の入試は、「2日の午後」や「4日の午前」が「1日のB中学校」よりもはるか上位に位置している、というケースは、現実でも実際多く見られる現象です。

 

ところが、なんです。

 

A中高から東京大学への合格者は、5年以内にただの1名で、

B中高から東京大学への合格者は、毎年2ケタ出ている。

 

それなのに、各塾が出している偏差値表では、B中学に比べ、A中学校が上位にランクされている。。

 

実名、実例を挙げられないのでモヤモヤしますが、実際「こんな現実」はアチコチで見つかります。

 

株の銘柄だったら、

大損する可能性が高いバブル銘柄(学校)と、「買い!」の優良銘柄(学校)の違いをどこで見破ればいいのでしょうか?

 

このブログが、どこかで悩める受験生親子にとって、新たな指針となれば、幸いです。

入試を「1人でも多くの受験生に受けてもらう」ために、各私立中学校が苦心の末にたどり着いた”答え”が、「受けやすさ」でした。

 

受けやすくすることを考えたら、

 

・間口を広げる(入試回数を増やす)。

・時間帯をずらす(午後受験/夕方受験の実施)。

 

となるのは、必然でした。

 

しかし、これだけでは、少子化の波を乗り越えられない、と考えた学校は、大ナタを振るうことを厭いませんでした。

 

それらの学校が共通している動きをまとめると、この3つに集約されます。

 

◇共学化◇

◇単科(主に算数)入試の導入◇

◇医学部進学コースの設置◇

 

 

神奈川地区でまっ先に動いた(たぶん)のは、中央大学附属横浜中学でした。

 

2010年に横浜山手女子中・高から、華麗に変身を遂げ、今に至るわけですが、この変身は大成功をおさめます。

 

この一例を皮切りに、”低迷していた”男子校や女子校が、次々に、共学化へと動き、さらに大学附属校(提携校)になったり、学校名を変えたりしました。

 

共学化へ動いた学校を、ざっと書き出してみますと、

 

広尾学園中・高(2007~旧 順心女子学園中・高)

東京都市大付等々力中・高(2009~旧 東横学園中・高)

横須賀学院中・高(2009~青山学院大学と提携、学校名は変更なし)

三田国際学園中・高(2015~旧 戸板中・戸板女子高)

青山学院横浜英和中・高(2016~旧 横浜英和学院中・高)

法政第二中・高(2016~学校名は変更なし)

八雲学園中・高(2018~学校名は変更なし)

などが挙げられます。

 

僕の塾生が受験対象としているエリアの学校を紹介しました。漏れ等あったらゴメンなさい。

 

これらの学校の、ある意味 思い切った変革は、今のところ、「成功」だと言えそうです。

 

受験生は増えていますから、ね。

 

当然、各有名塾から発表されている偏差値表(合格難易度表)でも、軒並み「ポイントが上昇中(=人気上昇中)」と出ています。

 

ところで、この偏差値表(合格難易度表)、ちょくちょく入試を語る際に登場してきますが、

 

四谷大塚さんの偏差値表と、日能研さんの偏差値表とでは、何がどう違うのでしょうか?

志望校をチョイスする際、留意すべきポイントは、何でしょうか?

 

このブログが、どこかで悩める受験生ご家族の 新たな指針となれば、幸いです。

今年度の首都圏 中学入試をふり返ってみますと、

「300校 1200回」という数字がまず出てきます。

 

これが意味するものは、何でしょうか?

 

 

◇「300校 1200回」◇

首都圏には、およそ300校の受験対象の中学校があって、今年度実施された入学試験の回数が、のべ1200回だった、という統計結果が出ています。

 

単純計算で、「1校あたり4回の受験機会があった」ということになります。

 

A中学校の入試は、1回入試、2回入試、3回入試、4回入試、というふうに、4回(4日)に分けて実施されるわけで、ざっくり言えば、この学校の志望者は、4回合格するチャンスを与えられていることになるのです。

 

昨今の中学入試において、

この「入試の複数回実施」は、もはや”あたりまえ”の風景になったと言えます。

 

そのせいか、

1日に「午前入試」「午後入試」があるのは、特段珍しくもなんともなく、昨年度くらいから「夕方入試」なるものを実施する学校もチラホラ見聞きするようになってきました。

 

学校側の観点から言えば、少子化の中で、受験生を集めるのに必死なわけです。

 

受験生が集まらなければ、入学生が募集定員を下回ってしまいます。定員に満たない学校は、ますます深刻化する少子化の中で、生き残っていくことは容易いことではないでしょう。

 

ですから、各中学校の先生方は「1人でも多く受験してもらうために」、毎年 頭を悩ませていらっしゃるのです。

 

受験してもらうためには、「受験しやすくする」ことが大切です。「受けやすさ」ですね。間口を広げなきゃ!ですよ。

 

そうやって登場してきたのが、午後入試や夕方入試というもので、その結果が「複数回受験の実施(=試験回数の増加)」であり、「300校1200回」であるわけです。

 

 

「試験回数が増加」というのは「受験機会の増加」と同じですから、文字通り、受験生一人ひとりが受験する機会も増えることになります。

 

特に2月1日から3日までの3日間は、理論的には、9校の入試を受験することが可能ということになったわけです。

 

9校と書きましたが、午前から午後受験を同じ学校で通す受験生親子もいますし、急いで電車に飛び乗って、別の学校に向かう、という受験生親子もいます。

 

このあたりは、各受験生ご家庭の「受験戦略」と言えるのかもしれません。

 

どの学校をどの順番で受けるか?

また、入試を受けるということは、想像以上に体力的にも精神的にもキツいものですから、2日目以降に備えて、体力等を温存させるほうを選ぶか?

 

塾の先生を交えて、しっかり綿密にスケジュールを組んで、入試本番の初日(2月1日)を迎えたいものです。

 

 

「受けやすさ」を前面に押し出した中学入試は、今後どんなトレンドが予想されるでしょうか?

「見せかけの偏差値」って何でしょうか?

 

どこかで悩める受験生親子の指針となれば、幸いです。